書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

書くこと

意味のないこと

いつものように図書館にいったら、入り口のところで小学校低学年(と思われる)男の子が柱をじ〜っと見つめていた。 何かが貼ってあって、真剣に見ているらしい。 別の入り口から入ろうとしたら、私の存在に気づいたであろう彼が立ち上がって、背後にいた母…

朱夏を通り越し、白秋に突入するので

以下、私のための備忘録。 (編集者の端くれとして)報道に漠然とモヤモヤを感じていたので、腑に落ちた感じ。 http://live.millionyearsbookstore.com/dokohei.../ijime/2865/ http://live.millionyearsbookstore.com/dokohei.../ijime/2874/ http://live.m…

青春の終わり

40歳を過ぎた頃からか、自分の年齢がとっさに出てこなくなった。 私は1969年の早生まれなので、現在、2021年夏の時点では52歳である。 ここのところ、ぼんやりと青春の終わりはいつなんだろうと考えていた。 もちろん人によって違うし、青春、みたいなものが…

ポマードって何ですか?

先日、ふと気になって、洋菓子店の風貌で働いている20代前半の男性に聞いたら、案の定「何ですか、それ?」との返答。 バターをやわらかくするときに“ポマード状にする”という表現をするのですが、 「そういえばポマードって見たことないなぁ」と思い(聞い…

オノマトペも進化する

ここ2カ月ぐらい、1世代下、私の子供といってもなんら不思議はない20 代半ばの方々と話す機会がちょこちょこありまして。 そこで、はっと気づいたことに、擬態語&擬声語(オノマトペ)を使う率が高いなぁ、ってことがあります。 これはこんな表現をするのか…

濁らない流れになっている気がする

先日、電車に乗って見るともなく車内を眺めていたら、 「お声かけ」 という文字が飛び込んできました。 「お声かけ」かぁ。 「お声がけ」じゃないんだ、濁らないんだ。 いつも私が迷うのに、 「くらい」「ぐらい」 どちらを使えばいいのか、ってのがあります…

結局、量なのかな、と思う

編集の仕事を始めて30年近く経ちました。 必然的に、書く、ことも付きまとい、時にライティングだけ、という仕事もしています。 2010年代、書くことが怖くなりました。書けなくなりました。 いや、ちゃんと納品はしていましたよ。 一応、一定の質で持って、…

文体でキャラクターは印象づけられる

6月下旬より、場所をお借りして、ライフワークであるイギリス菓子の製造販売を行っています(↓)。 ricorice.hatenablog.com オープン日には、ご近所の方、SNS経由(インスタが圧倒的に多い!)、久しぶりの知り合い、いろんな方がいらっしゃり、リアルに接…

うれしさと安堵感と、そしてうれしさと

ある雑誌で記事を書き、取材先に内容の確認をいただいたときのこと。 修正は、勘違いしていた一箇所だけ。 そして、うれしいお褒めの言葉をたくさんいただきました。 先方が本当に喜んでいらっしゃる、電話越しに確かに伝わってくる。 うれしいなぁ。そして…

ぐいぐいと引き込まれてしまった

こういうのは、書き手と対象と、付け加えるなら読み手との巡り合わせがよかったのでしょう。 ぐいぐいと引き込まれる記事に出合ったよ。 gendai.ismedia.jp gendai.ismedia.jp gendai.ismedia.jp 私はお笑いに詳しいわけではないし(というか、テレビをおい…

刺さればいい、って言われても。そもそも刺さらないし

なんだかなぁ。 最近では、 “ステイ(アット)ホーム”ってなんだ? “自宅で過ごそう”でいいじゃない。 ほわっとしたカタカナ語(というか、和製語)を、かっこいい!と信じ、ドヤ顔で使う風潮にもうんざり! ある人に言わせると、こんなにカタカナやアルファ…

苦行だけどやるのだ!  

取材では、お店や商品、レシピなどの取材で、目安として文字数が2000字以下のものはそうしないことがほとんどですが、 2000字以上、そして人物や歴史的背景など掘り下げるタイプの取材では録音をさせてもらっています。 書籍1冊とか(10万字が目安)の場合は…

誤解を招く「させていただく」

言葉は時代とともに変わるし、耳になじんだ言葉は私だって口にするし、あんまりどーのこーの言うのは好きじゃないけれど、 でも、これはいき過ぎ、誤解を招いちゃうよ、って思ったこと。 テレビをおいていないこともあり、ラジオをつけている時間が長く、AM…

食につきまとうジェンダーギャップを払拭したい

いつもいつも、ず〜っと不思議で、いまだもってそういうことが前提や枕詞にように使用されていて、大きな違和感を覚えます。 ・女性は少食/男性は大食 ・女性は甘いものが好き/男性は甘いものが苦手 ・女性は野菜が好き/男性は肉が好き ・女性はお酒が苦手(…

取材前に原稿は8割できている

私自身は着手はしないものの、その感覚はよくわかる。 編集・ライターの仕事もしている方が、取材前に原稿は書き終えている、と。 私自身は原稿に着手こそしないものの、下調べをして、媒体や企画に沿った内容はこのあたりかな〜、という目星をつけて取材に…

フィードバックしてもらえるありがたさ

メディアに関わらず、でしょうが、人の紹介で仕事を紹介してもらったり紹介したり、ということは多い。 私の場合は、いわゆる営業らしい営業をしたことがなくって、紹介がほとんど、だなぁ。 ある日、ライターを探している、ということで出版社の方にお目に…

ネットは普遍的な情報とも相性がいいのだ

ある雑誌に8年前に寄稿した記事が、その雑誌のウェブマガジンに掲載されました。 cuisine-kingdom.com もちろん時間が経過していますし、紙とウェブとでは文章の書き方も変わってきますし、この辺りは編集部で調整してくださった模様。 ウェブって即時性の高…

これも当たり前の表現になっちゃた、ってことか

年賀状こそほぼ利用しなくなったものの、メールやメッセンジャーなどでの年始のやりとりは新年の挨拶から始まります。 何人かの方が綴っていたのは 「新年あけましておめでとうございます」。 一般の方よりも言葉に敏感、なはずの同業者の方もこの表現を用い…

私のブック・オブ・ザ・イヤー2019

爽快にして痛快! 昨年2018年末に発売されたときに、表紙のインパクトも手伝って、気にはなっていたものの、 よくあるブスの自虐エッセイ(前書きで否定してあるんだけどね)、もしくは社会学的な味付けをした被害者意識の高いブス本だと思っていたのよね〜…

ああ、よかった! ほっとひと安心

慣れない媒体、慣れないテーマの寄稿の仕事が2つありましまして。 これでいいかな、どうかな、探り探りでなかなか執筆がスムーズにいかず、通常手がけている内容の仕事の2〜3倍は時間がかかり、最後はほぼ徹夜。 1本は、提出してすぐにおもしろかった!と返…

慣れないことは体に叩き込んで覚えさせる

普段やらない2つのジャンルのテーマで執筆しました。 ジャンルだけでなく、読者も違って、媒体も違って、 書く内容の軸は決まっていたけれど、 どう書くか、どう肉付けしていくかに、えらく手間取り、その2本はたまたま同日に提出で、直前はほぼ徹夜になって…

文面に感情をのせるむずかしさ

企画でそれとなく相談を持ちかけられていて、 それについては私自身考えているところもあり、 同時に問題点やそれについての改善策もみえていて、 きちんとお返事したいのですが、 文字にするとどうにもきつくなり、相手を否定するように捉えかねられないの…

日々是勉強!の日々です

イベントごととて何かするわけでなく、 いつも、いつもと変わらない日常を淡々と過ごしています。 そんな中でも、少しずつ変化はあるわけで。 私は紙媒体(メディア)で仕事をすることが多く、 ウェブの場合も、紙媒体主軸のウェブという位置づけがほとんど…

校閲や校正ができるAIが登場、なんだけど

今頃なのか〜、というのが正直な感想(↓)。 www.itmedia.co.jp 校閲や校正は、ほんとアナログな作業で、時間も手間もものすごくかかり、この時代に何やってるんだろう、って気分に陥ることしばしば。 上記記事を読む限り、明記してあるように、パンフレット…

心底がっかり! いまだにこんなことを平然と言うなんて

いいも悪いもなく、へぇ〜、ぐらいの心持ちでいつもは彼らの発言にふれているのですが、 いまだにこんなことを平然と言い放つなんて、私が担当編集者なら、信用しないし、チャンスを見計らって切るね。 miyearnzzlabo.com どこの箇所かっていうと 「編集者か…

聞いてみないとわからないのだ

取材も私の仕事の一部なわけで、取材する前に下調べは当然するわけです。 なんでもなんでも調べました、という顔をしていては、相手の引き出しを開けることができないので、初めて聞いた!みたいなフリをすることもありながら。 そして、取材時は、基本の指…

誰の視点なのか、固定化する

文章を書く、というのは、どうも軽んじられているなぁ、ってことに出くわすことがしょっちゅうあって、 現場に行かないでも、取材しないでも書ける、って思っている人、多いんですよね。 プロなら、書けるには書けるけれど、内容はというと、どうしても薄っ…

普段見えないことに、別の角度から気づく

“おかたし”真っ只中の私。 今週手放した、おもなものは以下のとおりです。 ・洋服 1着 今週は書類や資料を片づけました(まだまだ序盤。道は長い。。。。)。 資料は雑誌や新聞の切り抜きやらプリントアウトしたものやら、もちろん書籍や雑誌も。 切り抜きや…

これって氷山の一角だよね

最初見たとき(↓)、思わず笑っちゃった。 www.itmedia.co.jp でも、自分が日本語を解さなかった場合は、まったく笑いごとじゃないのよね。 そして、これって氷山の一角だよね。 いかにいい加減な英語表記が溢れているか。 これって、“日本語を理解しない人…

自分を綴ることで、気づかなかった自分が見える

“場所と時間に縛られないリモートワークやパラレルワーク”をテーマに、実際に実践しているリアルな人々のインサイトを掲載しているウェブサイト、「WORKS by トイロハ – ちょっとミライの働き方情報」で、私自身のリモートワークについて寄稿しました(↓)。…