取材前に原稿は8割できている
私自身は着手はしないものの、その感覚はよくわかる。
編集・ライターの仕事もしている方が、取材前に原稿は書き終えている、と。
私自身は原稿に着手こそしないものの、下調べをして、媒体や企画に沿った内容はこのあたりかな〜、という目星をつけて取材に臨みます。
なので、取材で行うのは確認作業。
既出の情報から刷新されている場合もあるし、思わぬ掘り出し物の話が聞けることもある。
これをすでに自分が獲得している情報に上書きし、文字化するというやり方です
私の場合は脳内で、先の方は実際に、の違いはあるけれど、共通しているのは取材前にあらかた原稿が終わっている、ということ。
取材の際は、下調べをしているので、知っている話がほとんど。
確認作業で終わればそれはそれで、
入手できていなかったところで、おっ!と思う話が拾えたら、ライター冥利に尽きる、というね
(でも、その話を引き出すには、下調べをせずに行って1から話を聞いていたら辿り着けないのは明白です)
取材は対面で、相手との会話のキャッチボールで行うので、「あれもこれも知っています」だと話が弾まない。
なので、知らないふりをして話を引き出し、そこからききたいことをさらに掘り下げたりもします。
駆け引きが必要になるんですよね。
以前、ライターという立ち位置で仕事をした際、取材に編集の方が立ち合ったときに、
「そうですよね」が続いたので、「そうなんですか? それについて教えてください」と言ったら、
編集の人が説明し始めて、驚きました。
その場合の編集者の正しい態度は、黙って様子をみるか、一緒に、もしくはちょっと角度を変えて質問をすることです。
それをしないで、自分の知識を披露し始めた、ってことは、
取材対象者との親密性を示したいのか、ご本人は下調べをせずに素のままで取材に行っている、という表れ。
わかっている編集者なら、知らないフリをしていることは、そのときのライターの言動で理解できるもの。
判断できなかったとしても、自ら回答するなんて、ありえない。
自分が編集者として、ライターさんを立てて立ち会うときも、そのあたりは敏感に察知しながら、ですから¥。
下調べしすぎない、さじ加減が必要なこともあるけれど、ライターの仕事は下調べがおおいに必要なのよ。