書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

これも当たり前の表現になっちゃた、ってことか

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年賀状こそほぼ利用しなくなったものの、メールやメッセンジャーなどでの年始のやりとりは新年の挨拶から始まります。

 

何人かの方が綴っていたのは

「新年あけましておめでとうございます」。

 

一般の方よりも言葉に敏感、なはずの同業者の方もこの表現を用いていたので、もう一般化したと捉えていいんだなぁ、と感じてしまいました。

 

かう言う私も10年ほど前、まだ年賀状を積極的に出していた頃、購入していた枚数では足りなくなり、市販のあらかじめデザインされている年賀状を使うことがあり、その文言が

「新年明けましておめでとうございます」。

 

う〜ん、嫌だなぁ、う〜ん、困ったなぁ、

と思いつつ、そのデザイン(イラストetc)がいいな、と思い、ほかにこれ!というものに巡り合わなかったので、なんだかなぁ、と思いつつ、その年賀状を利用することに。

 

 

ええと、なぜ「新年明けましておめでとうございます」がNGとされるのか、っていうと、重複表現だから。

重複している、とされるのは、“新年”と“明けまして”。

というのも、“明ける”には“新年になること”の意味もあるので。

 

“明ける”のは“新年”ではない、という見方もあり、

“連休明け”“梅雨明け”という使用例からもわかるように、“過去の時間”が終わり、次の時間軸に入るときに“明け”は使われるから。

この方式に従うと、元旦に明けるのは“新年”ではなく“旧年”、となります。

 

 

では、どう表現すればいいのか。

 

「明けましておめでとうございます」

「新年おめでとうございます」

とすれば、無難でしょう。

 

 

もはや、「新年明けましておめでとうございます」は一般化しているのと感じられるので、

いちいち目くじらを立ててどうこう言う必要はないと思うのですが、こういうのって、うるさ方が多いのも事実。

 

挨拶である以上、相手ありき、になるので、

“「新年あけましておめでとうございます」これでいいんだ!”という強い意志がある場合以外は、

わざわざ重箱の隅をつつかれるようなことは自ら仕向けないのが無難かな〜、と思います。