書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

書くこと

やればやるほど、自分に足りないものが見えてくる

普段書かないタイプの文字原稿を8000字(ペラ40枚、400字詰め原稿用紙で20枚)書いたら、 原稿に向かう姿勢を通常に戻すに時間がかかりました(↓)。 ricorice.hatenablog.com いつもとまったく違う原稿を書いた後、通常引き受けているタイプの原稿を書いて…

慣れないことこそ、新しいチャレンジ

今年に入っていただいた寄稿のお話。 年明け早々の2本がいずれも、いつもとまったくく違うところからまったく違うテーマでのお話でして。 通常、ライターとして文字原稿を書くときは、 自分を媒介として、対象物を切り取って文字で表現するのが仕事です。 …

短い文章をひねり出すのはほとほとむずかしい!

打ち合わせも終盤に差し掛かり、「タイトル、どうしましょうか?」という話題に。 その場にいたそれぞれがざっくり案を出し合い、 方向性の確認と意見の合致はできたのだけれど、 その場でバシッとこれ!ってものは、案の定出てこない。 だらだら打ち合わせ…

課題図書が届いたので、ゆっくり読み進めます

数字を眺めるのは好きなんだけれど、文章、つまり読み書きが得意じゃなくって、 日本語然り、英語然り。 自分が文章を構築することが踊り場にきていて、 そのことをようやく客観的に眺められるようになったってことかもしれないけれど。 必ずしもそのため、…

自分の言葉を豊かに肉づけするために

外国語に限らず、私、母国語である日本語でも読み書きは得意ではありません。 文字を読むよりも数字を眺めるほうがよっぽどおもしろく楽しい。 とはいえ、出版物のダイレクションや執筆といった、言葉を扱う比率の高い仕事をしているので、そうも言ってられ…

うまいとか下手ではなく、沿っているかどうかが肝要なのだ

初めての媒体のお仕事はいつも緊張が伴います。 まずは、の小手調べとなるのは、小さい単発の仕事から、で、 私の場合は、そこまでのボリュームを伴わないライティング(+企画や取材先案の提出)がほとんど。 そのあと、編集込みで、もしくはどんと編集(映…

起承転結ありきじゃないんです、私

どうやって文章を書くのか、起承転結を考えるのか、 という質問を受けました。 文章の書き方って習ったことないし、教えてもらったこともなく、 仕事を通して、校正で朱字が入ったり、自分の書いたものを読み直したり、ほかの人の文章を読んだり、 そのなか…

まあ、そうだろうなぁ。AIにやってほしいことたくさんあるもんなぁ

数年前に新聞社出身の出版社編集部の方が、 「出版物が減って/なくなって会社に席がなくなったら、ライターぐらいしかできない」と発言なさって、 ものすごい違和感を覚えました。 ライターという仕事を軽視している、ということではなく、 ライターのいう仕…

“ユニーク”という言葉にまとわりつく悩み

決して悪い、と言っているわけではありません。 ただ、英語をはじめ外国語からやってきた言葉で、日本語としても定着するとニュアンスが変わるものがありまして。 そのひとつが“ユニーク”。 これ、日本語だと、 ・おもしろい ・ユーモラスな ・独特な といっ…

ようやく自分のウェブサイトを立ち上げました!

1995年に自分のマシンを持って、ネットにつないで、 自分のウェブサイトが欲しいな、と思ったものの、 HTMLもろもろに匙を投げ(マック・パフォーマの微妙なレベルの初期不良があったんじゃないか、って思う)、 なんだなんだで20年以上(!)経って、ようや…

文章は誰でも書けるけれど誰にでも書けるわけではない

むすかしい。 うんうん、唸りながらテキスト原稿を上げる(それだけじゃないけど、、、だから時間がかかる)日々が続いております。 ふわっとした当たり障りのない文章を書くのはむずかしくないし、 意外に思われるかも知れないけれど、難解そうな文章を書く…

悩む日々

9月に出る食の本に取り組んでいて、うんうん唸る日々。 ライティングは最初誰かに頼もうかな、と思っていたのですが、 ブックデザイナーさんとも相談し、第三者視点のニュートラルな文体でない、別の文体でいくことにしたので、 じゃあ、内容やどうしたいか…

Lost in Translation(日本にいても)

大学入学と同時に上京。生まれ育った山口県(その間引っ越し6回)を離れ、 その後今まで国内外10回引っ越しをし、 移動が多い人生なので、新しい環境で過ごすことに抵抗がないのかもしれません。 旅行でも訪問先にすぐ慣れる。むしろ元に戻すのが大変だった…

関係者は一度は現場に行ったほうがいいよね〜

書籍制作の指揮をしていて、わくわくするのは、 最初にデザインがあがってきたとき。 それまで、企画を練って、構成案を考え、リサーチ、取材&撮影をして、 がようやく形になる瞬間です。 現在、3冊の食書籍を進めていて、 うち1冊はいよいよ制作が本格始動…

メールの件名は大事! 気をつけよう

今やメールは仕事に欠かせない連絡手段で、 もちろん頻繁にチェックしているわけだけど、 「メール送ったんですけど〜」という電話がかかってきまして。 定期的にやりとりがあるわけじゃなく、 最後に連絡を取り合ったのは2年前だったかなぁ。 慌てて探した…

いい加減音声入力に、とは思うものの

文章を書く、という意味では音声入力が断然いい、と思う。 多少の間違いは後で直せばいいし、そもそもタイピングする作業でも、それは生じる。 でもね、 文章を書く、というよりも、構築している、という方が、仕事では断然当てはまる。 起承転結、とまでは…

なぜ取材をするのか、ってこと

取材して記事にして、というのを長いことやっているので、 取材ってどーやってやるの? って訊かれることがあります。 私は人の取材のやり方をみたことはないんだけれど、 私自身の目に見える工程としてはこんな感じ。 1. 企画意図の把握 2. 取材骨子の構築…

ネーミングは最強のキャッチコピー

文章は短ければ短いほどむずかしい。 わかりやすい言葉で、軸をし固定させ、ちょっと外す(意外性だったり)。 これがうまくいければ、本当にしっかりと印象づけられるわけで、 このとき、外す工程を迷いなく振り切るのがいいんだけれど、現実的にはつい守り…

著作権切れをはじめ、まとめてくれる方、ありがとう!

こーゆーのを(↓)整理して公開してくれる人がいるってのは、本当にありがたいことです。 hi.fnshr.info これは、今年2018年から作品が自由に使えるようになった人をまとめたもの。 どういうことかっていうと、日本では、著作権法により、作者が死んで50年の…

ふさわしい肩書きを模索中

自身の肩書き&プロフィールを提出する機会が立て続けにありまして。 こういう要請があると、客観的に自分の仕事を見ることができ、棚卸しができる、ので、なかなかに貴重な機会だなと痛感しています。 ・イギリスの食研究家 ・食の編集者、ダイレクター、ラ…

保存版! 知的財産の知識と考え方

特許庁から2017年11月に発表された 知的教材「デザイナーが身につけておくべき知財の基本」(↓) www.jpo.go.jp 役所に限らず、ですが、ニュースというのはとかく悪いことばかりが流れがちですが、 ちゃんとこんな仕事もやってるんだなっ! 「デザイナーが〜…

ごてごて飾り立てる、もしくは見た目を恰好よくすることがデザインじゃない

以前、すっきりした雑誌のデザインを見て、 「こんなの簡単。誰でもできる」と発言した編集者(あれもこれもごちゃごちゃ盛り込むばかりが能じゃない)。 以前、よくまとまった書籍のデザインを見て、 「テキストを流し込んでるだけじゃん」と発言したグラフ…

自分のことを伝えるのって一番むずかしい

先日、ある方の掲載用プロフィールを書く必要があり、 あれやこれや訊くと、その方がしどろもどろになって、 同席していた方が助け舟を出してくださいました。 「いやぁ〜、自分のことってむずかしいですね!」 深く同意! 私もまったく一緒で、私の名前とプ…

カタカナを使うことはそんなにかっこいいのか

世の中に氾濫している英語(もどき)表現が気持ち悪いし、 会議などでカタカナをちりばめられちゃうとなんだかなぁだし。 もちろん日本語にバシッと当てはまらない言葉はあって、 それは仕方なく、それだけでもそれなりに量はあるので、 それ以外の言葉は誰…

キャッチコピーをつけるってこういうこと!

衆議院選挙2017 2017年10月22日(日)が選挙日で、その前後で選挙関連のニュースはいろいろ出回っていて、 政治的な内容のみならず、その周辺の情報も出てきます。 以前にご紹介した、こちらの記事みたいに、ね(↓)。 ricorice.hatenablog.com 当ブログでは…

ふとんは敷く(しく)、油は引く(ひく)

30歳近くまで、“ひいては”を“しいては”と思っていました、私。 耳で聞くとどっちかわからず、私の耳は“しいては”と認識していたんですね。 ある時、執筆原稿で、つまり仕事で使って、訂正されて初めて知った、という。。。 ものを知らない、っつーのはこうい…

ライターをどんどん現場に行かせるべし!(当たり前のことだけどね)

書くことって、本当に軽視されているなぁ、って感じます。 日本ではほとんどの人が読み書きができるわけで、なので簡単!って思ってるみたい。 とりあえず文字数を埋めることはできる、から。 でもね、受け手はバカじゃない。 多少(あくまで多少ですよ)稚…

ライティングに必要なのは対象を突き放すことである

いまだに誤解がまかり通っているのは困ったもんだ! ライティングも私の仕事の一環で、となると、書くの好きでしょ?と思われているのが、とても面倒くさい。 嫌いではないけれど、仕事として書くときは技術を売っているわけで、そこには当然制約もあり、好…

「いちばん最初」「ダントツ1位」とどうつき合う?

「いちばん最初」「ダントツ1位」とか、 話し言葉としてはついつい使ってしまうのですが、 これ同じ意味の重複表現、なんですよね。 「最初」にはすでに「いちばん」を 「ダントツ」ですでに「1位」の意味を持っているので、 「最初」「ダントツ」だけで、本…

これはまったく笑えない、校正あるある

いやぁ〜、実に身につまされる。 しょっちゅうはないのですが(しょっちゅうだと困る)、 これと似たような経験、何年かに一度は経験しています。 キングコング西野氏の本の帯において、 ダブルクォーテーション・マークを「洋モノ」から「和モノ」にして欲…