書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

書くこと

編集とは削ぎ落とす作業である

雑誌にしろ、本にしろ、ウェブにしろ、 編集っていうのは、いろんなものをあれこれ詰め込むって思われがちなのですが、 結果として、これは逆効果。 “何でもあり”は、“何にもなし”だから。 何をうたいたいか、一番言いたいことは何か、強味のあるセールスポ…

が、が、が、が、が、の連射に注意せよ!

自分のだけでなく、人の文章に目を通すのが私の仕事の一部です。 多用されていて惜しいなぁというものがいくつかあり、これもその一例。 “が” ん?と思われるかもしれませんね。 文章と文章のつなぎ言葉の“が”です。 例を出しますね。 昨日は雨が降っていた…

インスタグラムと私

インターネットやコンピュータ導入はぐっと早かったものの、スマホデビューは遅かったな。 そもそも電話が苦手なもんで、携帯電話もやむなく持つにいたったぐらいだし。 そして、単機能高性能の機器が好きだから、というのも理由として大きい。 オーブンレン…

まずは一歩踏み出すこと、これだけで半分やったも同じ

イギリスの食についての仕事で、私のもうひとつのブログ「イギリスの食、イギリスの料理&菓子」(の記事)をうろうろしているときにぶつかったタイトルがこれ。 デリア・スミス曰く「本を眺めているだけでは料理の腕は上達しない」 ricorice.exblog.jp デリ…

もう迷わない! かぎかっこはこうやって使う

タイミングって重なるもので、 仕事上でそういう質問を受け、また自分の実績を整理する必要があり、で こういうことって困惑する人が多いんだな〜、と感じたこと。 それは表記の仕方。 書き出したらきりがないのですが、今回は “かぎかっこ” について。 「」…

とにかく一心不乱に書く、まずはそこから

仕事としてライティングをするとき。 書くことそのものは、全体のごくわずかな割合で(↓)、それ以外のことに大半の時間を割きます。 ricorice.hatenablog.comでは、果たして書くときに、どうやって文字を紡ぎ出しているか。 ・熟考しながら書く ・安定した…

編集者がいない!から見えること

イギリスの食研究とか、情報発信のサポート(アドバイス)とかもやっているけれど、私のキャリアのなかで一番長く、かつ今も続けているのが 編集者 という仕事です。 でもね、編集者(長)って仕事って、すごおくイメージしにくいんじゃないかって感じます。…

書くことのマッシュアップってあんのかな?

キュレーションサイトの1円ライター問題(↓)。 ricorice.hatenablog.com はっと気づいたこと。 そういえば映画だって音楽だってふんできた道よねぇ。 パクリなのか、コラージュやマッシュアップになるのかの境目って、作品として昇華させられるかどうか、な…

1円ライターは1円ライターのままだよ

これ、思わず私が言い放った言葉。 人と会っていて例の1円ライターに話題がのぼったときのこと。 bylines.news.yahoo.co.jp どういうことか。 例えば、レストラン評論家になりたいとします。 でも、ファインダイニングは当然高いですよね。おまけにそれなり…

だからぁ、ライターの仕事の大半は書くことじゃないんだってば

ライターにまつわる世間の大きな勘違い3つ。 ・好きなことを書く ・自己表現できる ・書くのが仕事 すべて違いますっ! ・好きなことを書く 違います。 雑誌にしろ、ウェブにしろ、テーマが決まっています。テーマに即したものを客観性をもって書くのがライ…

とんでもないことでございます

以下、グチ。読まなくていいです。 この言葉、耳にすると、どこかに、ほんの少し反抗したい気持ちがむくむくとわき上がるのです。 とんでもございません これ、2007年には文化審議会の「敬語の指針」により、敬語として問題ない、と認められています。 日本…

総菜か、総菜か、それが問題だ

先日、ライターとしての仕事をした際、またしてもうっかりしちゃった! そこでの統一表記(雑誌や書籍などでは、漢字にするか、漢字ならどの字を使うか、ひらがなにするか、カタカナにするか、固有名詞や特例を除き、全体を通して同じものを使います)は、 “…

今どきの高校生のメールコミュニケーション能力がすごい!

たま〜に高校生とメールでやりとりをすることがあるのですが、 その方のメールコミュニケーション能力の高さに、ただただ驚く! たじたじ。 ・要件が端的 ・こちらの気持ちを喜ばせる ・話題の切り替えがうまい ・要件が端的 は、日時、場所、理由など必要事…

キーワードは“東京ドーム○個分”

たとえば新しいアミューズメントパークができたとき。 それを伝える報道で、“東京ドーム○個分”ってのよく耳にしません? “東京ドーム○個分”ってのが、果たして大きさを想像しやすい例えかどーかはおいておいて、 なぜこういうことになるのか、とてもよくわか…

抹消したい言葉ベスト(ワースト?)3

聞いてて読んでて、うんざりする言葉、3つ。 抹消するか、別の言葉にそっこーで置き換えたい! 1. 女子(力) いい大人をつかまえて女子って!(絶句) そんなこと言われて喜んでいるおばさん(以上)の気がしれない。 私は実際におばさんなんで、おばさん扱…

お飾りとしての英語(および外国語)は必要か?

テレビではさほどではないのに、ラジオのパーソナリティーとして大好きなのが、クリス・エヴァンス(俳優ぢゃないよ!)。 iPlayerなんて便利なものがあるので、BBCが聞けるんですよねぇ。 しかも過去1カ月に遡って。おまけにタダで、なんてほ〜んとありがた…

間違いを指摘してくれる人がいるってありがたい

私はおっちょこちょいです。 せっかち、というより、ちゃかちゃか。落ち着きがない、かもしれない。 なので、うっかりミスがしょっちゅうです。 気をつけないとなぁ、と自覚はあって、そうすると、細かいところは目を皿にようにしてチェックするのですが、す…

覚えておきたいのは“本文はグレー”ってこと

インスタグラムの出現によって、文章よりも写真、みたいなことを強調されたりもするけれど、これ、何も今に始まったことではありません。 私が、書籍や雑誌、小冊子などの編集/ディレクションの仕事を始めた四半世紀前にはすでに定石。 写真やキャッチコピ…

自分でもちゃらっとできそう!と思ったら大間違い

ときどき残念だなぁ〜、って思うこと。 文章を書くことって、誰でもできることです。 ブログやFBなどの個人の特性が強く出るものは、オーナーが書くことが、上手ヘタを飛び越えて、文章もやはり個性を打ち出します。 でも、たとえば、ウェブサイトのベーシッ…

ひとりの人に語りかけることが大勢の心をつかむ

個人メディアが自由にできるようになってきて、個人事業主とか中小企業のオーナーは、ブログをやった方がいい!というのが私の持論ですが(ブログってなにやってる人かどんな人かがわかる恰好のメディアです)、これを言うと、 「時間がない」 「ネタがない…

“おいしい”を伝えるには“おいしい”と言わない

感情を言葉で伝えるのに、思ったことではなく、情景や客観的事実で記す方が、よっぽど共感しやすい、って話。 たとえば、おいしい。 おみやげにいただいた漬物がとてもおいしかったとします。 「おいしいお漬物を食べました」「いただいたお漬物がとてもおい…

業界用語を使いたがるのはたいがいおバカさんである

食、に限らず、でしょうが専門のことをしていると、かくかくしかじか悩むことがあります。 どういう言葉がふさわしいか。 たとえば、惣菜。 実は活字になるときは、総菜の方が多いんです。 それは、一番大きな理由は“惣”が学校で習う漢字ではないから。 とは…

なりふりかまっちゃいられない!

先日、こんな記事(↓)を投稿したら ricorice.hatenablog.com ど、ど、どーしたの?と知人から連絡が。 事件発生から時間が経ち、気持ちも収まり、 「いやぁ〜、構成を決めて、原稿もほぼ書き終えて、ほとんど形になっていて、あとは確認って案件が、急遽取…

長けりゃいいってもんじゃない

感覚としては、10取材して、実際に使うのは1、それ以下かも。 であれば、決め打ちで1取材すればいいじゃないか、という声もあるかと思いますが、1を拾うために9が必要なわけでして。 わかりやすい例でいうと、写真。 いい写真を撮ろうとすると、何カットも撮…

書いたものを一晩寝かせる

ラフでも即効性のある記事がどんどんアップできることがインターネットメディアの魅力で、それは個人で発信するときも同じこと。 以前、“きれいな文章が心を打つわけではない”で記したように(↓)、 ricorice.hatenablog.com 体裁を整えた文章よりも、荒削り…

素直さって、つくづくむずかしい! 

先日、異業種の友人と数年ぶりに会いました。 彼はFBやブログを、どちらかは毎日やっているので、なんとなく近況や、そして考えてることなどが知れ、久しぶりの感じがしない。 きけばブログは5年、人にすすめられて始めて今にいたっているとのこと。 なんせ…

キャリアが浅い人の意見こそ大事

ずっとその仕事を続けていると、あたかもそれが世間の当たり前のように思われますが、これ、大きな錯覚なんですよね〜。 周囲の人も共通言語で話が通じるから、果たして外、一般的にはどうなのかってなかなか見えづらい。 そんなとき役立つのが、キャリアの…

読書は大事だなぁ〜、と痛感するこの頃

私は、文章を読んだり書いたりするよりは、データや数字を眺める方が断然好き。 ライターとしての仕事だと書くのが仕事。 今のところほとんどが日本語なので、四苦八苦しながらも母語ゆえなんとか。 英語は日常生活に困らない程度なのだけれど、読み書きが得…

読ませる対象が変わると切り取り方が変わる

オリンピックがいい例。 日本だと日本人選手を大きくとりあげるし、イギリスだとイギリス人選手をとりあげる。 それは、前者は日本人もしくは日本在住者を、後者の場合はイギリス人もしくはイギリス人在住者を対象としているから。 同じ場所、同じ日時、同じ…

このスポットは、一体どこにある?

ブログ然り、FB然り、ツイッター然り。 自分のごくごく身近、物理的に身近なところにいる人にだけ向けて発信している人には、以下のことは不要です。読まなくてOK。 でも、そうでない方。 意外と忘れがちなことがあるんですよ。 それはエリアの記し方。 たと…