覚えておきたいのは“本文はグレー”ってこと
インスタグラムの出現によって、文章よりも写真、みたいなことを強調されたりもするけれど、これ、何も今に始まったことではありません。
私が、書籍や雑誌、小冊子などの編集/ディレクションの仕事を始めた四半世紀前にはすでに定石。
写真やキャッチコピー、デザインがいかに目に引くか、が大事。
まずは、おっ、と思い、視線を集めないことには、いくら内容がよくても眺めてもらえない、読んでもらえない。
文章でいうと、キャッチコピーやヘッドライン(見出し)、それから写真の説明書き(キャプション)やある場合はデータ/スペック、最後に読まれるのが、本文ってわけ。
本文は文章量としては一番長いから、遠目に見るとグレーに見えます。
最後に読まれること(それまではなんか文字が並んでいるなぁ、という認識)、物理的にそう見えることから、本文はグレーってわけです。
だからといって、本文を書くのに手を抜いていいってわけじゃない。
でも、読んでもらうためには段階があるんです。
だから、キャッチの付け方は大事。
コピーライターがたった1行の文章を書くのにえんえんと唸り、プロとしてその職業が成立するのは、そのキャッチコピーが、大きな写真やデザインとともに、振り向かせるためのものだからです。
それが窓口になって初めて、文章が読まれるのです。さらに範囲を広げれば、商品やサービスにつながるってわけです。
そんなわけで、キャッチコピーやタイトルの文章は本文とは方法がまったく違ってきます。
文章に注ぐエネルギーは長い短いに関係ないんですよね〜。
キャッチコピーがよくないと、いくら内容がよくても本文を読んでもらえない。
キャッチコピーが単にあおりで雑だと、いい本文でもがっかりしてしまう。
あまり気にすると身動きがとれなくなっちゃうけど、
要は、人間は何から読むか、ってことを理解するための言葉が「本文はグレー」なんです。