書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

仕事は楽しいか? 東京は楽しいか?

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10年ほど前に、小学校3年生ぐらいの子供にそう尋ねられ、

別段他愛ない会話の中でのことだったんだけれど、

そのことがずっと引っかかっていていました。

「仕事は楽しいか? 東京は楽しいか?」

 

そのときの私の答は

「仕事はおおむね楽しい。東京もとても楽しい」と切り出し、なぜ楽しいのか、その理由と、ここはちょっとなぁ、ってことも付け加え、

その子は、うんうん、って聞いていたものの、途中から分かったような分からないような、退屈そうな表情になったので、テキトーに切り上げたんだけれど

(無理もない。詳細を聞かされても、小学校3年生ではまだそこまで想像ができないことも多いだろう)。

 

 

その会話がず〜っと引っかかっていて、その理由がようやく私の中で判明。

それは“楽しいか?”という質問の仕方だったんだな。

これって根源的な問いだよなぁ、

 

昨今、仕事における“大変さ”みたいなものに焦点が当たりがちで、

もちろん問題は解決していかないと、だけれど、

その根本として、“仕事は大変”ではなく、“仕事は楽しい”が前提にないと、

仕事したい!なんて思わなくなるよなぁ、ってことが

「仕事は楽しいか?」って質問に凝縮されたいたんだな、と思いいたったんです。

 

当然だ!

人間は、つらいことよりも楽しいことになびき、惹かれるもんだから。

 

なので、それに対して「楽しいよ」ってことを言葉でも態度でも示すのが、

すでに仕事をしている人間として、後進に伝えられることなのかなぁ、と感じたりする今日この頃です。