書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

切磋琢磨しあえる人がいる幸せ

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向こうがどう思っているかはおいておいて、

私には、励みをもらい、明日への活力をもらえる人たちが、

多くはないけれど、それでも片手で数えられるぐらいはいます。

 

私は数年前に住居こそ遠くに移したのですが、仕事のほとんどが東京なので、

ここのところは毎月1回のペースで東京に通っています。

 

 

たま〜に、ではありますが、東京で訪問する店があり、

品川・旗の台にある「Kirin Store」がそこ。

http://www.kirinstore.com/

 

オーナーのTさんとは10年来(もっとか?)の付き合いで、

そもそも彼が勤めていて終わりには編集長をなさっていた雑誌で仕事をしたのがきっかけ。

 

そのときは私もまだ東京にいて、その雑誌とは当初は2カ月に一度ぐらいで、

ライティングやときに編集込みで仕事をしていたのが、

彼が編集長になった後、私が外部の編修スタッフとして加わり、

毎月定期的に仕事をしていたものの、前述したように私が引っ越したこともあり、

つかず離れず、あくまで仕事上の付き合いというスタンスでした。

 

 

すでに出版不況の足音はすぐそこにあって、

後から思えば、じゃあどうする?ってことをお互いに考えていて(今もそうだけど)、

それが露呈したのが、図らずも東日本大震災のとき。

世の中が大きくうねりをあげて変わるタイミングで震災が起こり、

それまでもぼんやり思っていた、“今までの流れの延長に未来はない”ことが確信に変わり、

でも今までの流れを活かして何かできるんじゃないか、自分の仕事が作れるんじゃないか、

って模索して、お互いに今がある、って思っているんです。

 

編集者としてもライターとしてもまったくタイプが違うし、

やろうとしたことも当然違って、

私は、それまでもライフワークとしてひっそりやっていた、“今”の(レイドバックしたおほほほ〜の世界ではなく)イギリスの食情報に取り組みたい、ってのがあり、

彼はお店を持ち、確かに飲食できるし小物も売っていたりするけれど、お店というよりも場と呼ぶ方がふさわしい。

いち編集者/ダイレクター&ライターとしていただく仕事は、それはそれでしつつ、自分の畑も耕す、自身の仕事を作る、という、ね。

 

2016年より、個人マガジン「Kirin Diary」も始められ、もうすぐ第4号が発刊!

http://www.kirinstore.com/kirinstore/Kirin_Diary.html

 

コンセプトを“エアポケットを旅するトリップマガジン”としているように、

日常のふとあいた時間に「Kirin Store」でワインを飲みたくなるように、

日常のふとした時間に眺めて、ひとときエアトリップできちゃう、みたいな。

 

 

うん、やってる人はやってるんだよ。

新しいことに挑んでいるんだよ。

私自身が手探りで、これからも一生“何か”をしようとあれこれ模索しながら生きていくんだろうなぁ、と感じているので(ひとところにとどまり、極める生き方もあるけれど、私の性には合わない)、

こういう人が身の周りにいるのは、とても励みになる。

よし、私も頑張ろう!って気にさせてくれる。

 

普段、物理的にも心理的にも近いところにいないし、

やろうとすることも理解の範疇にありながら違っているから

(あまり近いと嫉妬とか負の感情がむしろ強くなる、気がする)、

ちょっと離れたところで励まし合える、ってのは精神的にもちょうどいいなぁ、と思うのです。