書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

日常会話ってむずかしいよ

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その泊まった宿は1日3組で、3組中1組はカリフォルニアからやってきたアメリカ人カップル。

滞在した翌朝、もう1組は出発が早く、早く朝食を済ませてチェックアウト、アメリカ人カップルの男性の方は朝が弱い、とのことで、ダイニングテーブルに残ったのは、アメリカ人カップルの女性の方と私。あとは、サーヴィスをしてくれる宿の方。

 

食事自体はほとんど終わって、コーヒーをすすりながら、とりとめのない話を。

そのとき、宿のスタッフの方が「英語でスムーズに話せるようになりたいんです、日常会話ぐらいは」とおっしゃり、

「う〜ん、でも、日常会話ってむずかしいですよ。教科書とかに出てくるような定型な文書打ってないし」と私。

 

「えっ?」

「“トイレットペーパーがなくなっちゃった”とか“この洗濯機、どうやって使うの?”とか“牛乳ちょっとちょうだい”とか、そんなことを日常会話では言いますよね。でもそれって、紋切り型じゃないですよね。いちいち教わることかっていうとそれも違う気がするし。

こういうのって慣れもあるし、基礎があると(つまり、言葉を表層的な言葉としてでなく意味の本質として捉え、骨組みである文法を理解している)、応用もきくって感じだけれど。

でもって、どういう状況が起こるのか見当がつかないし、どこから相手の球が投げられるか、わからない、会話はキャッチボールですからね」

 

日常会話とかスモールトークって、難易度高いと思うんだよな〜、私。

簡単!なんかじゃ全然ない、と思うよ。

役者がすべてを踏まえて初めて、アドリブでセリフを言える、みたいなもんじゃないのかなぁ。