「せわしない」か「せわしい」か
資料として、テレビ番組を観ていたときのこと。
忙しいを意味するのに
「せわしい」
という表現がなされ、ひっかかりました。
ん? 「せわしない」じゃないの?
このテレビ番組番組、九州制作のもので、
そういえば、以前、九州の方がビジネスメールか文書だかで、やはり
「せわしい」
というのを使われていて、えっ?と思ったのです。
「せわしい」って方言があるんだ〜。
このときは、この人はこういう言い方をするんだなぁ、と思ったのですが、
先のテレビ番組、曲がりなりにもテレビ番組のちゃんとした(という言い方も変ですが)、
バラエティなどではない、ドキュメンタリーというか報道というか番組のナレーションだったので、
そこは共通語でやるはず。
となると、
「せわしい」
は方言ではない、共通語だと。
でも、
「せわしない」
は確かに使う、日常会話だけでなく、ちゃんとしたところ(便宜上、こういう言い方でお許しを)でも。
ふむ。
なわけで、調べました。
結論から言うと、
「せわしない」と「せわしい」は“とても忙しい”という同じ意味をもち、同じ使われ方をする。
違いがあるかないかというと、あるといえばあるというレベルで、
では、その違いは?というと、
- 「せわしない」は「せわしい」の強調表現
「せわしない」の後ろについている「ない」は否定ではなく、前の言葉の強調。
「子供たち」で本来はすでに複数ですが「たち」を伴うことで強調するのと同じ構造です。
2. 主眼の違い
「せわしい」は自分からみて、「せわしない」は客観的判断として。
ほうほう。
そうであれば、先のテレビ番組は内容から判断すると、「せわしない」を使う方が適しているかと(いただいたビジネスメール/文書は、どっちともとれる内容でした)。
とすると、「せわしない」と「せわしい」の使い方には、地域差というものも確かに存在するのでは、と思えてきます。
あ〜、大学のときにこういうのやったな〜。
ちゃんとやんなかったつけが回ってきたか。。。