書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

Lost in Translation(日本にいても)

f:id:ricorice:20180306153918j:plain

大学入学と同時に上京。生まれ育った山口県(その間引っ越し6回)を離れ、

その後今まで国内外10回引っ越しをし、

移動が多い人生なので、新しい環境で過ごすことに抵抗がないのかもしれません。

旅行でも訪問先にすぐ慣れる。むしろ元に戻すのが大変だったりする。

 

適応能力が高い方、だと思うので、

言葉も、使える/使えない、理解できる/できないはおいておいて、耳に慣れる。

方言は語尾変化に一番表れると思うのですが、

意識したわけではないけれど、すぐに東京の言葉になりました。

その方が断然コミュニケーションがとりやすいわけだし。

 

ではあるのですが、苦労したこともあり、

それは仕事柄(食関連が多い)でもあるのですが、

 

魚の名称

 

築地市場で取材を何度かしたことはあるし、レストランで魚のメニューをうかがったこともある。

そのたびにヒヤヒヤしていました。

 

というのも、私が知っている名称と違うんですよね〜(ブリがいい例)。

一瞬、これって東京(一般的)には何て言うんだっけ?というのが頭の中をぐるぐる。

 

意識することなく、東京の言葉に移行したせいか、

ということは自分が使う言葉にイチイチ意識を向けていないがために、

適応していないこともあり(言葉を使う仕事をしているので自覚はしています)、

それは鼻濁音ができない、とか(意識しないとできない)、

ときどきアクセントや語彙が違う、とか。

 

 

先日、“綿あめ”を“綿菓子”と言って

「西の人だねぇ〜」と指摘されました。

驚きました。

今まで全然知らなかったよっ!

“綿あめ”という呼称は東日本が、“綿菓子”が主流だとは。

 

あ〜、そういうこといっぱいやっているんだろうなぁ。

いい悪いじゃなくって、どこに向けて発信するかによって日本語でも言葉や表現を使い分けているから、もっとアンテナを張らないとなぁ、と思ったのです。