書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

素直に取り入れてみるもんだなぁ、と思った件

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6月下旬から隔週末に、ライフワークであるイギリス菓子の出張販売を行っています。

ricorice.exblog.jp

 

頭を悩ませたのが提供するお菓子。

ショートブレッドやビスケット、ケーキもカップケーキスタイルにして持ち帰りもしやすくして、ど定番から、珍しい郷土菓子などをラインナップしました。

 

「ヴィクトリア・サンドイッチ(ヴィクトリア・スポンジとも)を食べたいな〜」

そんな声を何人もの方にいただきまして。

 

ヴィクトリア・サンドイッチはパウンドケーキやフランスのカトルカールと同じく、

粉、砂糖、バター、卵を同量で作ったもので、通常は丸型で焼きます。

間にラズベリージャムやバタークリームをはさむことが多い。

 

これ、確かにイギリス菓子の代表ではありますが、

食感がバサッとしていて、日本人好みとは思えない。

唾液の分泌量の違いから、日本ではやわらかくてふわふわなものが好まれるから。

見た目もシンプルで飾り気がないし。

それとホールで、直径18cmにしろ20cmにしろ焼くのは、

家で食べる分にはいいけれどご提供となると大きいしなぁ。

 

そんな理由で、避けていたんです。

でも、リクエストがダントツに多い。

 

じゃあ、やってみるか。

 

ダリオールで焼くか、カップケーキにスタイルにするか、

でもあらかじめ個別の小さな型で焼くと、

ヴィクトリア・サンドイッチの場合、食感がまったく変わってくる。

試作を繰り返し、直径12cmの小さい丸型で焼くことにし、

間に挟むのはラズベリージャム。

食感もややしっとりめにしました。

 

 

そうして登場させたところ。。。

 

 

うわぁ〜、お買い求めになれらる方が多い!

 

 

お客さんとこういうラリーができるのは、実売ならではの醍醐味かもしれません。

そして、お客さんの声に素直に耳を傾けて、何ができるか模索して、せっかくいただいた声にできるだけ応えたいなぁ、と感じた次第です。