書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

こんな場で、フレンドリーな人がいるんだねぇ

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「生かされているんだなぁ」と感じていて、だからか、

頻繁にお墓参りをしないのは、ちょっと後ろめたいところがあります。

 

宗教とはほとんど関係のないところで生きているけれど、

駅前などで托鉢のお坊さんがいるとお布施をするんですよね。

それは、先の後ろめたさを少しでも解消したく、

こちらから出向かなくても(ここでは宗派はおいておく)、ここにいてくれるのはチャンスと思うからなんだろうけど。

 

同じ場所にずっといるのって辛いよ。

学生の頃、池袋西武の中のアートギャラリーで監視業務のアルバイトをしたことがあって、

1時間ごとに場所が変わり、少しぐらいなら歩いき回ってもいい、と言われたけれど、

これが辛いのなんの!

何もしないでじっとしていることは修行だ!と思った次第です。

 

 

托鉢のお坊さんにしょっちゅう出くわすわけではないけれど、

先日新宿駅出てすぐの甲州街道の信号のところにいらして、

例によってお布施をして、信号が青に変わるのを待っているタイミングで、

どちらが先に口火を切ったのか、少し話を。

 

フレンドリーなお坊さんもいるんですね〜。

いや、気さくな人はいるけれど、托鉢という修行の場で、ね。

 

たいして喋っていないけれど、未知の世界のことだからか、いちいちおもしろかったなぁ。

 

最後に「お仕事大変ですよね。頑張ってくださいね」と言われ、

「いえいえ、修行の方が大変だと思います」と答えると、にっこり。

 

 

修行の方が大変だよ!

じっとしている辛さは、アートギャラリーの1週間のアルバイトでギブアップした身としては、ほんとに

(修行とバイトと同じ土俵で語ってはいけないけれど)。

 

自分の適性って、実際にやってみて初めてわかることもある。

向いているか向いていないか、そういうぼんやりとところよりも、

まったく合わないものの見極めができる。

アルバイトは、そういう意味ではいい体験だったなぁ。