書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

絶句されてしまいました

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通話ってしなくなったねぇ。

そもそも私は電話が苦手で、それまで数年前までは仕事のやりとりでは電話で話すことは少なくなかったのに、今は緊急時や要の部分のすり合わせ以外はメールとかメッセンジャーとかだからなぁ。

 

先日、仕事でどうも齟齬が発生しているので、すり合わせで電話で話したときのこと。

GW中ということもあり、新型コロナウイルスの影響でお互いにのんびりしている状況ってこともあり、要件の後に他愛ない話を。

 

こーゆーことできないかな、あーゆーことできないかな、どーかな、みたいなことを話したら、

フリーランス個人事業主には最大100万円給付される“持続化給付金”に申し込まないの?」と聞かれ、ほとんど把握していなかったけれど、

不正を咎めるためでなく、なるべく支給しないためなのか、申込みが煩わしく審査が通る見込みはとても低い、と聞いていたので、

「う〜ん、そういうことに労力を割いて、どっと疲れるよりは、未来に希望が描けるような建設的なことに自分の頭を使いたい」と答えたら、しばし絶句した後で、

「周囲のフリーランスの人はみんな目の色変えて調べてるよ。大変な状況下だもの、もらえるものはもらったら」と。

 

確かにそうなんだけれど、可能性が低い、しかもネガティブな気持ちを抱えながらに自分の頭も時間を使いたくないのよね〜。

なんというか負のどろっとした空気が体全体を覆って、それはいったんまとったら、いざ剥がそうとしたら剥せなくなった、みたいになりそうで、それが嫌。

 

あっ、経済的に余裕があるわけではまったくないのよ。

それどころか、文字どおり、本当にお金はないのよ。

それでも、気持ちが巻き込まれる方が、本当に本当に嫌なのよ。

もしかしたら、何もないからこそ、本当に欲しいものを選択しているのかもしれない。

 

 

なんか、前にもこんなことあったな〜、と思ったら、

2011年度末〜2012年度始めにかけて、トータルで3社100万円ぐらいの未払いがあったときだ!
重なるときは重なるもんだなぁ、と妙に感心したんだよなぁ。

 

そのうちの1社で、私と同じようにフリーランスの立場で仕事をしていた知り合いが、同様に未払いになり、グチがすごくって、

「一緒に署名活動かなんかして弁護士さん立てよう」みたいに言われて、怒りはもっともだけれど、

「支払いの後ですぐにちゃんと確認していなかった自分も悪いんじゃない。ちゃんとチェックして、支払いどうなっていますか、って聞いた人は支払われてたよ。あなたも私と一緒で確認を怠った口でしょう」という頭もあり、

でもそれを言うと、今度は怒りの矛先が私のところに向くのはわかったから、それに弁護士さんを立てるにしても、やるなら一緒ではなく個人でやるよ、と思って、適当に受け流した、

な〜んてこと、あったな。

 

もちろん、未払いする方が悪い。

でも、そのときフリーランスで10年やっていて、噂で聞いたことはあったけれど、未払いは初めてだったから、こんなもんなんだ〜、痛いけれどこれも社会勉強、と感じ、

よし、未払い分を取り戻すべく、仕事しよう!ってベクトルに向かったんだよなぁ、

 

態度としては正しくないのでしょう。

普段は、それ違うんじゃない!って異議申し立てをする方だし。

 

でもね、そのときも、ことが大きなだけに、負の渦の中にどうしても自分をおきたくなかったのよ。

負のエネルギーに自分が負けちゃう、っていうか。

毎日をネガティブな徒労感で終わるよりも、どうなるかわからないけれど未来を夢見て動く方が精神衛生上、私には全然いいのよ。

現実逃避、なのかもしれないけれど。

少しでも毎日を機嫌よく過ごしたいのよ。

 

こういうときの態度って、自分でも意識していなかったどんな人間か、何を優先して生きているのかが、露呈されるのかもねぇ、いい悪いではなく。