書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

東京の怖さは治安じゃないのかぁ

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地方在住の親戚の20歳の女性を東京でアテンドすることになりまして。

といっても、一緒に泊まるのと(多分)出迎えだけで、

別段、日中の行動は同伴するわけではない模様。

 

ひとりで大阪に泊りがけで行ったり、名古屋に行ったりもしてるじゃん。

旅行で行く場所なんて限られているわけで、東京は治安は全然悪くないよ。

そもそも両親とも学生時代+数年は東京で暮らしていたから、

そのあたり、知ってるでしょう。

その女性はひとりで行動するタイプなので、別に私、要らないんじゃない?

 

本人のプライド(?)もあるだろうから、親に聞くと

「あ〜、治安とかそういうことじゃないみたいなんだよね〜。

東京の怖さは別のところにあって、情報と人の波っていうか、さ。

テレビで放送するのは、キラキラした部分だし、今、そういう情報番組が多いし、

それに圧倒されてるんじゃない」。

 

なるほど!

 

30年以上前、私が大学受験で初めて東京に来たとき。

今みたいに情報は氾濫していなくって、でも、想像力だけはたくましかったから、

AKIRAとかブレードランナーとかの世界を想像していたんですよね〜。

そしたら、確かに人は多いけれど、ふつーじゃん!で、

JRの恵比寿の駅は、当時まだホームに行くのに陸橋で、田舎の駅みたい、って思ったんだよなぁ。

あと自動改札じゃなかったのも、逆にびっくりしたんだよなぁ(関西(大阪?)は自動改札だったから)。

 

でも、今はどこの駅も周囲にビルがビシバシ。

でもって鉄道の相互乗り入れが物事を複雑にしている、気がします

(渋谷駅は何で相互乗り入れにしたんだろう? そんなことすると人が降りなくなって、渋谷が単なる通過駅になるのは自明なのに)。

この進化に比べると、地方は停滞、進化していても歩みは遅いわけで、

そのギャップがますます広がっているから、

でもって東京の情報は氾濫しているから、

余計にたじろいじゃうのかもしれない。

 

まあ、確かに、日本だと東京だけが突出してるからねぇ。

肩を並べたがる街もあるけれど、次元が違うんだよねぇ。

 

 

今の若者は生まれ育った場所を離れない、っていうのは、

経済的なこともあるし、どこ行っても生活そのものは変わらないかもしれないけれど、

この膨大な情報を体現しているところの渦に呑まれることへの躊躇もあるのかもしれないなぁ。