書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

絵を描くように文章を書く

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自分が“どう思う” “どう考える”といった主旨の文章ならともかく、

例えば飲食店レポートがわかりやすく、状況を綴るときは、目に見えるものを言葉におきかえます。

 

・おいしいお好み焼き

これは主観であって、読む方にはわからないんですよね。

・ふっくらと焼き上がった

・たっぷりのソースがかかった

・7種類の具が入った

といった目に見えることを言葉におきかえると、その場にいない読み手もイメージしやすいんです。

なので、絵を描くように言葉を具体的に綴るのがいい。

 

これ、頭でわかっていてもなかなかむずかしい。

それもよくわかります。

 

 

そこでおすすめなのがラジオ。

よく番組のなかでレポーターが登場し、スタジオを飛び出し、外からレポートしているでしょ。中継ってやつです。

これがとても役に立ちます。

具体的な色、形、大きさなどを押さえて、しっかり伝えています。

それに対して、補う形でスタジオの司会進行役の方が質問したりするでしょ。これも大事な要素。

 

テレビの場合は、見た目を細かく言う必要がないけれど、ラジオは音だけが頼りだから違う。

同じことでもテレビとラジオとでは視覚情報があるかないかのため、伝え方が違ってきます。

文章も書く作業は、ラジオのレポーターが状況をレポートするのに近い。

 

なかなか具体的に書けない、という方。

ラジオを聴いてみることをおすすめします。

そして、例えば、電車に乗っているときなどに、レポーターになったつもりで頭のなかで、目に見える情景ををレポートしてみるとよし。

これ、本当にむずかしい。

でもやってみると、文章を書くときに自分で気をつけるようになります。

その気づきがあるだけでも、文章はぐっと読みやすくなります。