書くこと、編むこと、伝えること

編集者、ダイレクター、ライター、情報発信サポーター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けするメディアや仕事のあれこれ

本はインテリア小物である

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取材に訪れた店舗で自分の関わった雑誌が書籍があるとうれしい。

書籍の場合は、私の場合、ライティングや校正もですが、企画や構成などにもがっちり関わっているものが多いので、余計にうれしい。

先日、取材した店でも私が関わった本が6冊(1冊は企画のみ、ですが)。

うれしいねぇ。

 

同行された編集の方がお店側にそのことを伝えられると、

「実は読んでいないんですよ。インテリア小物として購入したんです」と。

 

ほお、なるほど!

写真やデザインが目を引いたから購入した、と言ってくださる人はいたけれど、はっきりとインテリア小物として、と言われたのは初めて(そういう人もいるのでしょうが、本は読むもの、という前提で、気を遣ってくださっているのでしょう)。

となると、頭ではわかっていたつもりだったけれど、写真然り、デザイン然り、タイトルやキャッチコピー然り、見た目をもっともっと意識的にやっていかないといけないな、とガツンと気づかされたのです。

 

 

ふと思い出したのが、先日ネットを賑わせた、

「焼き鳥は串から外さないで食べてね」と言った店主のお願い。

news.livedoor.comこれ、本であれば「中身をしっかり読んでね」ってことになるんだろうなぁ。

 

私のスタンスは、いったん世に出たもの、自分の手を離れたものには関与しない。

買ってもらうことに意義がある。

どう使ってもらおうと、重石がわりだろうが、やぶって包装紙にしようが、それは購入者次第だし、気にしないし、逆に今回のような気づきもあったりします。

本を読んでくれる人にしても、話していると、そういう読み方をするのか!ってことも多い。

つまり、自分が意図したとおりに相手がやってくれると思うのがお門違い、ってこと。

 

もちろん、自分がこう読んでくれると思った方向で読んでもらえるとうれしい。

でも、受け止め方は本当に人それぞれ。それはどうしようもない。

しかも、なかには悪意のある反応をする人もいます。それはこっちの落ち度じゃないし、どう頑張ってもそういう層は一定層存在する。それはそういんもんだ、と認識するだけです。

 

今回の焼き鳥については拡散したのは店主じゃないし、こうしてもらえるといいなぁ、ぐらいの思いだったでしょう。
(でも、ツイートしてください、はどうかな? 自分のお客さんに面と向かって言えばいいだけの話。話題性を狙ったのであれば大当たりで、まんまとのっけられました!)

それに、ひとりひと串ならともかく、シェアして食べるときに串から外す、という行為は分かる! 自分が食べた、そのあとの具に自分の口がつくってことあるもんね〜。それは人に食べさせづらいしね〜。

 

 

なんせ、私は天ぷら屋とか寿司屋とかラーメン屋とかで、エラソーに指南されることが苦手です! それって店側のエゴでお客さんのこと見ていない、よーな。。。

特に天ぷら。私は天つゆにじゃぶじゃぶつけて食べるのが好き!

箸が苦手な海外の友人と一緒のときは、和食でも快くナイフ&フォークを出してくれる店が好き!

 

 

これって対応次第って気がします。

相手の自由な食べ方を認めつつ、決して高圧的にならなかったら、客側もすーっと受け止めるんじゃないのかな。

「塩でも天つゆでも自由に食べていいですよ〜。でも、特に○○の天ぷらは、○○だから塩の方が断然味が引き立っておいしいですよ〜」

「お箸にチャレンジしてみる? ほら、こうやって持ってね、こうやって動かすといいよ」

こういう物言いだと、受け止める側も素直にそう思う気がするけどなぁ〜。

 

結局、コミュニケーション能力の問題かも、ね。

一律的に、こうしてください!ではなく(これはやっぱり反発が多いだろう)、こういう思いで作っています、理解してもらえるとうれしいな、でも理解してもらえなくっても気にしないですよ、好きなように食べてね!をベースにひとりひとりの反応に合わせて対応していく、ってこと。

マニュアルどおりにしか対応できない、融通がきかないところが多いからなぁ。

それに、提供する側がこうして欲しい、ではなく、こういう受け止め方もあるんだなぁ、というスタンスでいる方が、変に期待しない分、お互いにラクでしょ(そもそも人の言動にどうしていちいち期待して、物言いをするのか? 理解に苦しむ)。その上で、こうしてもらえるとうれしいな、を添えればいいわけで。

 

 

それよりも、先の焼き鳥屋さん、発想の転換で、焼き鳥店が焼く、串に刺さない焼き鳥メニューを開発してみれば?

それだけ串から外す人が多いってことは、提供するときはともかく、少なくとも食べるにあたっては串に刺すことが求められていないってことでしょ?

そういうメニュー作ったら、大ヒットするんじゃないの?
これってすごい気づきだよ!