書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

“何となく”の予備軍をどう取りこむか

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2017年2月12日(日)、主催の日本政策金融公庫さん主催の、

「移住 × 起業・就農フォーラム in Fukuoka」(福岡市)に参加しました。

 

目玉として講演やパネルディスカッションがあったのですが、メインは移住 × 起業・就農を誘うための各県や市のブース。

そこでは、当然リーフレットが用意されたりスタッフがいたりします。

 

ここで、あ〜、もったいないなぁ、残念だなぁ、と思ったこと、3つ。

 

 

その1: 全体をまとめる/俯瞰でわかるものが欲しい

 

どういうことかっていうと、いちいちそこのブースに行って話をきかないといけないんです。

たとえば稲作やりたい、とか、ITで、とかといった職業に関すること、

住居提供しているとか、補助とかの条件、

山間部、海辺、地方都市などエリアの特性、

 

まずはこれらを検索できる、俯瞰で眺められるポータルサイト的なものがあると断然便利!

各ブースに行く前にワンクッション欲しいところです。

まあ、これは“移住 × 起業・就農”に本腰を入れているところが主催であればやっているのかもしれませんが。

 

 

その2: 予備軍のお客を無視している

 

もうね、ブースのスタッフの方が手ぐすねひいて待ってる!みたいなノリ。あ〜っ、残念!

“移住 × 起業・就農”する気満々の人が相手、ってこと念頭においているんですね。

それはそれで大事だけれど、こういうところって“何となく”来た人も多いでしょ。

 

わかりやすく言うと、

デパートにふらっと寄って買い物をしたり、

本屋さんでおっ!と思う雑誌を発見して購入したり、

そういうことってものすごおおく多いんです、日常生活では。

 

私もそうだったのですが、そういう“何となく”な人間に対して、うまく話ができない。

“何となく来た”人間が何を求めてやって来たのか、話をきける絶好のチャンスでもあるのに、そこに頭が回らないんだろうなぁ、あ〜あ、みたいな表情を浮かべ、なんとしても“移住 × 起業・就農”にばっかり話を持っていくって、ねぇ。

そういう人に対しては、他愛ない話(“移住 × 起業・就農”に関係のないことでいいんです)をして盛り上がれば、それだけでこっちの印象も「楽しかったな」「おもしろいスタッフの人だったな」となって、十分印象づけられるのにねぇ。

そしてそれがゆくゆくは、ってこともあるのにねぇ。

 

そもそも“移住 × 起業・就農”するという明確な目的で来ている人は、ほっといてもそういう話中心で進むけれど、そうでない“なんとなく来た”、でも来たからには興味があるであろう“予備軍”に対して対策をしていない、っていうのは、せっかくのチャンスをみすみす逃しているように思えて仕方ないのです。

 

 

その3: 思い切ってコレ!って言っちゃえば

 

とかく、あれも用意してます、これも用意してます、ってのを謳い文句にしてるけど、それって裏を返せば、何もないってのと一緒だと思うんですよね〜、うっすらととりあえずは揃っているってことで。

うちは就農移住者が欲しいんだけれど、ITでがっつりやっていく。IT不得手者はお断り!みたいに言い切っちゃった方が、そこのエリアの個性にもなるし、実際に住んだときのおもしろさにもつながると思うんだけどなぁ。

 

 

要するにとっかかりに欠ける、ってことかな。

そして、これって今の時代、これはこうです!みたいな(押しつけの)発信の仕方じゃなくって、何となくおもしろそう!って前のめりにさせるのが大事だし。

 

ricorice.hatenablog.com

でも綴ったけれど(↑)、ほんと何がきっかけになるかわからないんですよ。

であれば、強く印象づけること、何かわからないけれどおもしろそう!と感じさせるところからスタートした方がいいんじゃないかな。

そして、まずは関わっている当人たちが楽しんでイキイキしていて欲しい。

せっかくやるなら、ね!