書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

たり、たり、たりたりら〜ん

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文章に書くのにこなれてくると(な気がしますが)、

・同じ言葉の繰り返しを避ける

を意識するようになります。

 

たとえば、

“疲れている”

を表現するのに、

“疲れた”

“疲労困憊”

“帰宅するとすぐにベッドに直行”

といった具合に。

 

この

・同じ言葉の繰り返しを避ける

は文章を綴る上で鉄則ではあるのですが、

一方で、同じ言葉を繰り返すのが決まりとなっている表現があります。

 

それは

“たり”

 

ものごとを並列、同じ次元で並べて表現するときの言葉です。

 

例を出しましょう。

 

例1:久しぶりの休日は、家で料理をしたり床拭きをしたりした。

 

こう使います。

何言ってんの? 当たり前じゃない、って思うかもしれないですね。

 

では、これはどうでしょう

 

例2:久しぶりの休日は、家で料理をしたり床拭きをした。

 

これ間違い。でも多いんですよ、こういう使い方をする人。

床拭きのあとにも“したり”が必要なんです、例1のように、ね。

 

 

“たり”は1回だけ使うってことができない言葉なんです。

“たり” “たり”と連続して使うことで、初めて体をなします。

 

無意識のうちに、例2のように使っていること、多くないですか?