書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

目下の課題。オンライン取材をどうやっていくか

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これまでもなかったわけじゃないんですよね〜、対面じゃない取材って。

電話だったりSkypeだったり。

なので、ここ2カ月ほどの取材は、Zoomだったのですが、違和感はない。

 

でも、対面じゃない取材って、いつも変な緊張感を伴う。

今まではぼんやり違いにとどまっていたのですが、それが何かわかりかけました。

 

電話やオンライン取材は、よくも悪くも、ポイントだけに終始してしまう。話が逸れない。

話し言葉だけ、映像を伴ってもせいぜい相手の表情が加わるコミュニケーションなので、

とにかく発せられる/発する言葉が頼り。

いつも以上に準備をして、情報を頭に叩き込んで取材に臨む。

 

これが対面だと、事情がちょっと変わってくるんです。

もちろん情報は頭に入れるのですが、あまり入れ込みすぎないようにもしています。

というのも、言葉と表情以外の情報が、現場に行って初めてわかる視覚などの情報が入ってくるから。

 

例えば、取材相手を待っている間のスタッフさんの態度だとか、飾ってある賞状とか、本棚とか、

出してもらったドリンクひとつとっても、取材相手の服装にしても、

話の糸口が広がる要素に満ちているんですよね。

私は、感じたことや疑問に思ったことを素直に聞くようにしているのですが、

一見スモールトークっぽいことがきっかけで、実は本質に迫る話を、違うアプローチからできることも少なくないんです。

 

これがおもしろくって、具体的に記事にはならなくっても、取材は縦横に及んでいて奥行きがあるから、記事を作っている時点で、取捨選択ができるんですよね〜。

そうして淘汰された内容が記事になる。

 

でも、電話やオンライン取材だと、それができない。

 

文字数が少ない場合は、まあ、問題はない。

その人自身の思考などを取材するときは、まだなんとかなる、かなぁ。

でも、会社や店舗、商品などの場合は、フィジカルに確認できないので、確信が持ちづらい。

 

どうする、どうやっていけば、深みのある取材ができるのか。

慣れもあるので、今は自分が納得できるやり方としては、対面取材に軍配があがるけれど、

オンラインはオンラインで、対面とは違った深みのある取材ができる可能性はあるんじゃないか。

その方法を探って、自分も時代に対応していく、だなぁ。

 

これ、目下の課題です。