書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

必ずしもそういう人ばかりじゃない

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料理本リレーなるものがソーシャルメディアで出回っていまして、私のところにもバトンが回ってきました(↓)。

ricorice.exblog.jp

 

ぼんやり感じではいたものの、こういう課題を前に腕組みをしてしまったのは、

・おこもり生活で時間ができたからとはいえ、必ずしも料理を楽しんでいる人ばかりではない

・普段は台所に立つ人も、やりたくない!日はある

・日常的に飲食店のテイクアウェイやデリバリーを利用するには経済的負担が大きい

・そもそも料理が苦手、やりたくない(でもやんなきゃいけない)

などの理由で、ため息をつきながら台所に立つ人もいるだろうなぁ、ってこと。

その数は、実は多いんじゃないか、って気もしています。

 

「家庭で料理をする人が増えている今、何か手助けになることをしましょう」という善意で回ってきたバトンだろうし、

同様に、「こんな料理作りました」「今日のテイクアウェイはこれ」とソーシャルメディアに発信する人に悪意はないだろうし、

でも、これがマジョリティーとして埋め尽くされちゃうと、

料理したくない!人を追い詰めてしまうのではないかという危惧。

悪意がない善意、というのはかえってタチが悪いなぁ、と思うのはこんなときです。

 

 

冷凍食品チン!でいいじゃないか

スーパーマーケットのお惣菜でいいじゃないか

シリアルに牛乳かけるでいいじゃないか

栄養補助食品(カロリーメイトとか)でいいじゃないか

チンするごはんにふりかけでいいじゃないか

カップ麺でいいじゃないか

 

“料理をすべし”的な負担が解消され、気持ちがラクになるのであれば、それがいいじゃないか。

それがいちばん重要じゃないか。

 

台所に立つのは苦にならない私も、何もしたくない日はある。

シンクに洗い物をためる日もある。

 

そんなとき、

インスタント麺はおいしい。安い食パンのトーストにマーガリンもおいしい。

カロリーメイトやシリアルバーありがとう、バナナありがとう、野菜ジュースありがとう。

レベルが著しく高い最近の冷凍食品も楽しい。

 

 

そもそもソーシャルメディアに上がっているのは、大なり小なり“ええかっこしい”なので(私も含めて)、料理勘弁!な人は「あ〜、やってんなぁ〜」ぐらいで眺めてもらえるといいな。