書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

今どきはお茶は結構です、なんだろうけど

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先日、引っ越しの見積もりにきていただきました。

繁忙期に差し掛かり、急だったこともあり、なるべく早い方がいいでしょう、と連絡した翌日の朝早い時間に来ていただきました。

 

「コーヒーかお茶かいかがですか? カフェインが苦手ならハーブティーもありますよ」

とうかがったところ、

「いえいえ、結構ですよ、お気遣いなく」とのことで、

そのまま見積もりを続けていただいたのですが、

こちらも8年半ぶりの引っ越しであれやこれや訊いてしまい、

また来てくださった方(上司も一緒)も見積もりデビューということで手間どり、

けっこう時間がかかりました。

 

終盤に差し掛かり、そういえば缶ジュースが何本かあったなと思い、

「話し続けてお疲れになったでしょう。喉も渇いたでしょう。缶ジュースでもいかがですか?」

と聞くと、ご担当の方は一瞬戸惑ったような表情をなさったのですが

見守ってらした上司の方が、

「うれしいです。遠慮なくいただきます」と数種類から1本選ばれ、

続けて「じゃあ、私も頂戴します」とご担当の方も選ばれ、

その場ではお飲みにならなかったのですが、お持ち帰りになられました。

 

おそらく、会社では「余計な気遣いをさせないように。お茶は遠慮するように」という教育をされているのかな、と思うのですが

(だからこそ一瞬返答に困ったのでしょう)、

そこで上司が部下の様子を察して、同時にこちらの思いも汲んでくださって、

「いただきます」と口を開いてくださり、その気持ちがうれしかったな。

 

なんでも杓子定規じゃないよね。

その場に応じて、柔軟に対応って大事だよね。

経験を重ねるってことは、マニュアルではない(それはそれで理解しつつ)、相手に応じた対応ができるようになるってことかもしれないね。