書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

いい本を作るという希望

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最初に見たのは、9月下旬(↓)。

togetter.com

 

その後の動きが先日、10月下旬に上がってきました(↓)。

www.itmedia.co.jp

 

私はですね、とても偏った人間で、実生活はからっきしで、仕事をしていないと、本当にグータラなダメ人間だという自覚が、はっきりとあります。

プライヴェートはもう、本当にどうしようもない。。。

 

今の主な肩書きは編集者で(ライターもするし、時にライフワークの方のイギリスの食研究家もするけれど)、でも出版社の社員という王道からきたわけじゃなく、私は編集プロダクション出身という叩き上げで、なんとなく一般社会からドロップアウトして、その流れ着いた先に、編集という仕事があって、作るおもしろさに夢中になって、そのまま突っ走っていたらここまで来ていた、って感じ。

今でこそ、少なくとも表向きはいろんな働き方があるって認識されていんだけれど、一世代前はまだそこまでじゃなかったしね。

 

自分に力があるかどうか、向いているかどうかはわからないけれど、今も飽きることなくあーしたいこーしたいと思いながら、続けています。

 

 

で、作る、ことでいうと、いいものを作りたい。

でも、いいものだけを作りたいわけではなく、売れるものを作りたい、のです。

私の中では、売れているものはすべて正しい、という前提がまずあって、

だって自分に資金力がないのであれば、商業出版という土壌で作り続けるのであれば、売れないことには継続できないんだもの。

 

よく、いいものを作っていれば、作りたいものを作りたい、という人がいるけれど、

はっきり言ってそれは自己満足に過ぎず、だったら自費出版でいいわけです。

商業出版である以上、売れるものを作りたい!のです・

 

 

ところで、はっきり言って、書く、ってことは非常に軽んじられていて、片手間にできると思われている節があって、だからこそクラウドソーシングなんてものがもてはやされ、価格競争になってしまって、

でもここに来て、やっぱり餅は餅屋、みたいな振り戻しもようやく見られるようになって。

 

それと一緒ではないけれど、本づくりも自転車操業で目先の売れそーなものをとりあえず作る、って動きは確かにある。

そこには思いもコンセプトもなく、なんとなく今の流れに乗っちゃえ〜、見たいな。

 

でも、私自身はそんなことしてもしょうがない、と常々思っていて、

本こそ瞬発力はなくても普遍性のあるものが、人数はそう多くないかもしれないけれど確実に求めている人がいるものを作るのが、値段だけみると高いかもしれないけれど、内容を考えるとそんなことは決してない、ちゃんと適正価格をつけたものが、長い目でみればいいんじゃないかと思っています。

 

私の場合、100人中80人がふわっといいねと思ってくれるものよりも、100人中3人が熱狂的に支持してくれるものを作りたくって、すると、思い描く読者って明確で、そこに向かって本を作っている、って感じ。

 

ここまでは制作の話なんだけど、売るってのもとても大事で、

自己満足でなく、ちゃんと読者の存在が感じられ、売れる確信や要素はあっても、「どうやってこういう本がありますよ」と届けるか、ってのが課題だなぁ、と思っているわけです。

 

そして、最初のリンクに戻るわけだけど、今の時代、今の時代だからこそ、いち個人のツイートをきっかけに売れるってこと、本当にあるんだよね〜。

シンデレラストーリーみたいだけど。

 

そのためには、

・内容がしっかりしていること

・自己満足でなく第三者の役に立つ視点があること

が欠けているとダメなわけで。

 

私は、そういうのを作りたいんだなぁ、というのを改めて思ったりしたのです。

 

にしても、希望が持てる話。

たま〜にふと舞い降りてくるこういうニュースが、私を奮い立たせる。