書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

改めて、続けるって大事なんだな

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随分前に、飲食店の大御所オーナーシェフを取材したとき。

元々は料理人としてキャリアを始めた方だったけれど、取材時にはメイン業務がレストラン経営にスライドなさっていた。

 

その取材は、お昼にさしかかる時間だったので、賄いも準備してくださった。

食事を出してくださるときに、「久しぶりに包丁を握ったから緊張しちゃった。うまく切れなかったよ」と笑いながらおっしゃって、そういう部分は多少はあるだろうけど、場を和ませるための言葉だろうなぁと思って聞いていました。

 

 

先日、あるシェフの方と話していたとき。

「いつもは作らないメニュを久しぶりに作ったら、なんだかうまくできなくって、作り直した。

シンプルな材料で作る気軽なもので、家庭的なメニュだから、練習する必要はないと思っていたけれど、違った。

作り続けないと鈍っちゃうね」とおっしゃり、

プロをして、やっぱりそうなんだなぁ、と感じました。

 

 

継続が大事、というのはよく言われることで、

私とて、滅多に書かないような文章の依頼があると、書くには書いても、なんだかしっくりこない、ってことがある。

自分で、これ!ってのがわかっているから、余計に、できてなさがよくわかる。

 

それを解消するためにはどうするか、っていうと、技術を磨く、ことを念頭におくよりも、同じことをやり続け、結果、いつでも一定の状態を提供できる、ってことなんじゃないのかな。

プロである以上、一定のレベルのものを安定して届けることが大事なわけで。

 

 

継続は大事、とはよく言われることだけれど、改めて、そうなんだよなぁ、と感じてしまいました。