書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

改めて、『スパニッシュ・アパートメント』

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人生を変えた、とか、心が震えた、とか、そんな類じゃないけれど、

あ〜、そうそう! こんな感じ!って見方ができる映画もあって、

それが『スパニッシュ・アパートメント』。

 

どんな映画かってのはこちらを見ていただいて(↓)。

ricorice.exblog.jp

 

この映画、最近よく思い出すんですよね。

 

舞台はスペイン・バルセロナ

カタルーニャの立ち位置を表すようなシーンがあるんですよね。

それに反応させるかのように、ベルギーの子はフランドル出身という設定にしていたりとか。

 

私は、どうも想像力が欠如しているというか、

文字としてふんふんと思っていたことは、遠い世界のこととのようでピンときていなくって、

目の当たりにして、初めて納得するというか。

 

なので、イギリスに住んで、ヨーロッパからのクラスメイトを得てよかったのはこういうことで、具体的には、

・多くの国で兵役がある(スイスの永世中立国は決して牧歌的なものではない)

・スイスはドイツ語圏が大きい(なんとなくスイス・フレンチの方がイメージとして強かったので)

・トルコの立ち位置の微妙さ

イスラム圏の子の生活
・国を国と捉えてはいけない(カタラン人はスペイン人、スコットランド人はイングランド人と区別した方がいいように)

などなど

 

 

イギリスのBrexit国民投票のときもそうだったけれど、

日本での報道のされ方が、なんというか理想論というか空論というか、血が通っていないというか、高みの見物というか安全地帯からの物言いというか、または現状に即していないというか、感情が走るというか。

 

だから今ひとつ私がピンとこないのは(幸いにも、現在は海外のニュースがいともたやすく拾える)、

リアルな声が見えてこないなぁ、って思ったりして。

なんでもかんでも現場を、とは思わないし、離れているからこそ客観的に見えることもあるのだけれど、専門として語るなら、憶測や過去からではなく、現状を知る、もしくはその努力をした上で“今”の時点からの見解を示して欲しいなぁ。