書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

やすやすと英語を扱う場面に出くわしたときの葛藤

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日本語もそうですが、私は読み書きが得意ではありません。

第一外国語の英語も同様で、いちばん得意なのは文法。

ネイティヴじゃないですから、一時期、必死で勉強したときがあり、

このとき通っていた学校では、生徒の質問に応えて成り立ちもちゃんと説明する、

英語(言語学)のプロが教えていたので、

非常にいい学校&コース選択をしたと、今も思っています。

 

これが叩き込まれているので、

ときどき喋っていて、書いていて、待てよ!と思うことがあって、確認する。

合っていることもあれば間違っていることもある。

日々これをえんえんと繰り返しているので、

さほど英語を使わない環境の日本にいても、現状維持が保たれているのかもしれません。

 

 

自分が苦労して習得して、単に英語で表現する、ではなく、その裏にある、なぜそのような言い回しをするのか、同じ言葉でも言語が違えば微妙にニュアンスが異なることを体験していて、

日本でしか通用しないだろうなぁ、と思われる、英語っぽい表現が

いかに世の中に氾濫しているのかを見つけては、うううう〜ん、という気持ちに陥ります。

 

訴えるための文字表現ではなく、“お飾り”で使っているのでしょうが、

であれば、誰も読まないのであれば、使わなきゃいいのに。

 

ricorice.hatenablog.com

 

 

はっきり言います。
もし、英語(もしくはほかの外国語)でないとデザインが決まらない、と思っているのであれば、

それはデザイナーやライターや、クライアント含め、制作サイドの怠慢です。

本当に言語対応を考えていれば別ですが、

“お飾り”であれば、日本語で充分。“日本語でデザイン”の可能性を探るのも仕事のはずなのですが。。。

 

 

今はグーグル翻訳や簡単に文字検索できるのですが、

ものごとはそんな単純じゃない。

とりわけ、商品名だったりキャッチコピーだったりヘッドラインだったりは、

完全にコピーライティングの世界で、

単純に言葉を置き換えられないのです。

 

軸を変えず、いかに英語でも刺さる言葉で表現するか。

となると、はじめから英語で考える、ってことも必要になります。

また、英語のキャッチコピーやヘッドラインの場合、よく知られた歌や小説や映画などのタイトルに絡めるってのもよくあるし。

 

たとえば、今、日本ワインが盛り上がっていて、その流れをいうときのタイトルを日本語で、

“日本ワインの歴史を振り返る”

としたとしましょう。これ、そのまま英語にすると、変!なのです。

本当に、たとえば奈良時代からの歴史的見地からの考察なら別ですが、ここ数年のシーンを切り取るのであれば、

“近年いかに日本ワインが人気を獲得してきたか”

みたいなものがふさわしい。

 

となると、通常のライティングよりは当然高額になります。

ライティング + 英語の感覚

なのですから。

 

ところが、そう捉えていないところが実に多く、金額を上乗せするわけでもなく、

ついでに

みたいな頼まれ方をすることがよくあります。

 

あなたができないから、私に頼むんですよね?

それを無料でやる理由はどこにあるのかな?

 

 

なので、トータルで関わるときを除いて

(よくあるのが、こちらは渡していないので、デザイナーさんが勝手に英語表記を加えてくるパターン。

 それがことごとくおかしな英語表現なので、修正をかけます)、

いちスタッフの場合は、自分の担当外で目についても言及しないことにしています。

だって、ついでにやって、って言われるんだもん!(ついでにはできません。仕事とあれば金額に関わらず、全力だよ)

 

また、自分の仕事の範疇で入ってくるときには、上記を説明し、
・お互いに納得し、適正価格で仕事として受ける
・お飾りだから、であれば関わらない

というスタンスにしています。

 

 

言語って、できない人は、自分ができないことを痛感し、習得するためには本人の努力、時間もお金も投資しているのわかっているはずなのに、

どうして仕事となると気軽に、タダ感覚で発注してくるんだろう?

わざと、でないケースがほとんどなので、余計にタチが悪いのよねぇ。。。