書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

まとめることは編集者の仕事の第一義じゃない!

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 はああああ???

ってなことがありまして。

 

出版業界が不振とされる原因のひとつは、間違いなくこれだよなぁ。

 

それは、

編集者の仕事は、

まとめること、できればそつなく、だと思っている編集者がいること

(もっともこの場合、いち編集者というより、(実質)編集長といった方がいいのだけれど)。

 

ううううう〜ん。

それも仕事のひとつかもしれないけれど、それ最重要事項じゃないから。

 

いちばん大事なのは、まとめることからさらに踏み込んで展開させ、新しい価値観や付加価値を加え、その意図を明確にし、その上でそれぞれの役割と認識を共有し、協労すること。

いくら優秀なアートダイレクターを据えようが、デザイナー、カメラマンやライター、イラストレーターや校閲者がいようが、

企画を牽引し、判断するのは編集者だから。

キャリアが浅いとか年齢とか関係なく、それが仕事だから(だからっていばっていい、という意味ではない)。

 

 

新しいアイディアも切り口も出さず、ただ既存のものをまとめる、焼き直しをする、

それって既視感ゆえの安心感で、説明はたやすく、波風は立たないかも知れないけれど、ちぃ〜っともつまんない!

時代も読者の嗜好も変わっているのになぁ。

 

目の前の仕事を淡々とこなすことに重きをおき、なんらわくわくを提供しないのであれば、読者がそっぽを向くのはごく当たり前の事象だと思う、んだなぁ。