書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

いやいやそうじゃなくって、のもやもやの理由はこれ!

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今となっては数年前だったか、

インバウンドが叫ばれるようになり、そこで私が感じた大きな違和感。

それが何だったか、やっとわかりました。

 

違和感の最たるものがハラル、つまりイスラム教徒に向けて食品だったり商品だったりを理解し対策しましょう、というもの。

 

それ自体はいいんです。

でも、そこで言われているのが、増加する観光客のため、彼らにお金を落としてもらって、経済効果を狙いましょう、というもの。

 

この部分に違和感を感じていたんです。

言っていることはもっともなんだけど。

いやいや、そうじゃなくって。

 

 

ハラル対策って、観光客に限った話じゃないですよね。

まずはすでに暮らしている人に対してなんじゃないない?

いろんな宗教や民族の人も快適に過ごせるようにしましょう、

という考え方が最初じゃないか、と。

経済がついてくるのは、その結果じゃないか、と。

 

社会に貢献 → 対価が発生 → 経済的に潤う

という図式が今の時代じゃないか、って感じるんですけど。

それをはなから経済、経済、と叫ぶのは、あまりに昭和的発想に映ってしまう。

お金につながるから、ハラル対策をしましょう、というのは、

本当に相手のことを考えての行為とはいいにくい、んですよねぇ。

 

ここでも私の苦手な、この国が得意な、相手ではなく自分視点の押しつけの“おもてなし”が透けてみえてしまって仕方ないんです。

底辺に流れる、居心地の悪い違和感の正体はこれだった、ってわけです。