神風は吹かない。希望的観測を起点にしない
イギリスの食関連のことをやっていると、
思わぬところから問い合わせや協力の要請を受けたりします。
そこでいつも不思議に思うのが、
なぜ最初に現地のリアルな状況を把握しないのだろうか?
ということ。
例えば、こんなこと。
・イギリスで日本食は流行ってるんでしょ
→ 一般的な認知度は大きくなったけれど、流行っているかといわれると大いに疑問(ラーメンは勢いがあるけど)
・イギリスで日本食はヘルシーって思われてるんでしょ。
→ 思ってる人もいるだろうけど、それはごく少数派(もし本当にそうだったら、一大ブームになっている)。
・和食は世界遺産登録されたから注目されているでしょ。
→ 世界遺産登録されている食はほかにもあるし、だいたい世界遺産だからってひれ伏したりありがたがったりしない。世界遺産に対して関心は薄い。
・日本酒は人気なんでしょ? アウォーズもあるし。
→ 確かに消費は増えているけれど、一般レベルではほとんど知られていない。そもそもアウォーズは人気があるから設けられたわけではない(お金の絡みととか、ね)。
これらのことを伝えると一様に困惑した表情をされます。
「え〜っ! でも日本で伝えられているのって?」
「う〜ん、でもたいがい小さい小さいことをさも大事のように言うじゃないですか。仕事にするんですよね? 最初の認識がずれたまま進むと、結果なんて出せないですよ」
「・・・・・・・・・・。でも、日本食はブームですよね?」
と堂々巡り。なんとか自分たちの抱いているイメージを、なんとしてでもそうですよ!って言って欲しいらしい。その頭しかないから。
最初の時点で認識が違うと何をやってもうまくいかないと思うし、
現に私が見てきた、イギリスの食イベント(フーデックスみたいなの)に日本から出展しているブースを遠目に眺めていると(現地法人があったりでその国でしっかり展開している日本企業は、そこがどういう土壌かを理解した上で出展しています、当たり前だけど)、こんな内輪ノリのことやってて意味あるのかなぁ、何のためにやってるの? 誰に向けてやってるの?と痛烈に感じた根本はこれなんですよね〜。
私の出した結論は、ここからビジネスをスタートするための出発点ではなく、ブースを出すことが到達点で、とりあえず、こういうプロジェクトをやるとお金が動くからやってる、ってこと、なんだなぁ。
なんだかなぁ。
神風なんて吹かないよ〜。
現状打破は残酷なまでに冷静な現状認識から、じゃないの?
と思うのですが、別段、現状打破をする気はないんですよね〜。
なぜって?
すでに決まっていることをひっくり返したり、既成概念を破ったりしたことで生じる責任をとりたくないから。
だからいつまで経っても中途半端なつまんないものしか出て来ない。
みんなが納得することに終始したら、そうなっちゃうよね。
同意しか聞きたくないなら、はじめっから他者の意見なんて求めなくって突き進めばいいのに。
その方がかえっておもしろいことできるんじゃない?
あっ、これ、日本の地方(再生っていうの? 地域おこしっていうの?)も大半は同じことやってる、と思うよ〜。