書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

粗品だったら要らないよん

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フリーランスという仕事柄なのか(いや、むしろフリーランスの方が多いのかな?)、私の特性なのか、形式ばったことはしないので、

「粗品ですが」みたいな場面に遭遇することってあんまり、ない。

 

年賀状のやりとりも基本しないし、旅行に行ったり帰省したりでおみやげを買うこともしない。

もっとも、タイミングよく

「こういうの欲しいって言ってたな〜」

「あの人、この手のものに目がないから」

ってものに出くわし、その人に近々会うことがあれば買って渡したりはします。

渡すときに、「粗品です」って言うこともないですね。

「気に入ってくれそうだから」「これ見たら思い出しちゃった」みたいな言葉を添えます。

まあ、ときどき冗談で(冗談ですよ!)「賄賂です」って言うこともあるけど。

 

これって、よく考えたら自分が言われて好きな言葉なんですよね。

へりくだられるのって好きじゃない。

そのまんまでいいと思っているから。

それに高価な品物を「粗品ですが」なんて言われたり、

廉価な品物を渡したのに「先日は佳品をいただきまして」なんて言われたりすると、

慇懃無礼、嫌みだなぁ〜って感じるから。

 

ちなみに、同じ商品でも、

粗品は(自分を)へりくだっていう言葉、佳品は(相手を)尊敬して使う言葉です。

佳品は“かひん”と読みます。

 

ただ、粗品でいい場合もあるのも事実で、

お詫びはどんなに高価な品物でも相手の気持ちを慮ると粗品だし、

告知のひとつとして不特定多数の人に配る、ようなもの、新店オープンとかでタオルやボールペンを配ったり、なんかは粗品でいいかな〜。

 

 

私は、今の時代は基本ニュートラルでいいんじゃかいかと思っています。

変にへりくだる必要はない(へりくだるのもへりくだられるのも苦手だ!)

その基準って自分で言われてうれしかったり納得できる表現なんじゃないか、と。

「これおいしいかったから、ぜひ食べてみて!」

「こういうの似合いそうだな、と思って」

なんて言われると素直にうれしいもの。