書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

EU 離脱! これがイギリス国民が出した答

f:id:ricorice:20161225172338j:plain

 

2016年も終わり、ということで、今年、別ブログ(このブログを開設する前から続けている、もうひとつのブログ(↓))でよく読まれた記事を再掲載します。

ricorice.exblog.jp※時制のみ、現在に調整していいます。

 


********

(2016年6月24日(金))

はぁ、この日はまったくもって仕事にならなかった。。。

2016年6月24日(金)は、前日23日(木)の、EUを離脱か残留するかを問うイギリスの国民投票の結果が出る日だから。
現地時間だと朝、結果がわかろうものの、日本にいると時差の関係で経過が逐一わかる、しかも本日は外に出る案件がなかったので、結果、ネットにかじりついてしまったという。。。


拮抗していてどちらに転ぶか予想がつかず(マーケットは残留と見込んだように記憶しています)、実際に開票されてすぐは残留の方が上回っていました。
が、途中から情勢が逆転し、結果は離脱に。

Brexit. The UK has made its decision.
EU 離脱! これがイギリス国民が出した答


他の国のことをとやかくいうつもりはさらさらないのですが、やむなし、というのが正直な感想です。
もし、自分がイギリス国民だったら、う〜ん、どうだろう、離脱に投票した可能性が高かったかもなぁって思うから。

それは、ずばり移民問題
ここのところ、年に2〜3週間しか滞在しない私でさえ、東欧諸国からの大量の移民(近年では難民も)をみるにつけ、雇用の問題だけでなく、誰が彼らの生活を支えているのか(イギリスは社会保障が手厚い、そして、それらは当然、国民の税金でまかなわれている)、生活が不便になったこと(病院や学校はぎゅうぎゅう。住居不足、そしてそれにより賃料/不動産価格が高騰)を知ると、感情としては、もうたくさん!ってなってもおかしくないよなぁ、と思うから。
そのすさまじさは、現地で目の当たりにしないとなかなか理解できないでしょう。いくら渡英しても、庶民のリアルライフにふれづらい旅行やビジネスでは、実感としてつかみづらいかと。
(だからUKIPなんて政党が躍進したわけだし)

あっ、イギリスが外国人を受け入れたくない、というのとは違いますよ。
むしろ寛容。
寛容がゆえに、東欧諸国がEUに加盟したときに制限をつけず、EU圏内で世界の共通語でもある英語の国ってイギリスだから、当然、貧しい国の人たちはイギリスを目指すわけで(EU圏内は居住にあたりビザは不要)。
で、蓋をあけてみれば、こんなにたくさんの人が来て住み着くなんて思ってなかったことの結果が、今の事態となったのでしょう。
加えて、トルコのEU加盟の動きも憂慮していることは想像にかたくない(トルコには多くの難民がいます。加えてテロリズムの問題も)。

国の立ち位置など大きな視点では残留が有利(とされる)、だけど、上記を目撃しちゃうと、日常生活レベルで考えた場合には、離脱に傾いておかしくないんじゃないかというのが私の見解。
現実は、自分の生活が侵食されるとなると、きれいごとでは済まされないからね。
そして、物事には常にメリット、デメリットがあるわけですが、離脱して本当のところはどうなるのか、誰も明確に予測できない、論理的に説明できない、というのも大きかったように思えます(であれば、とにかく現状を変えたい、という動きにつながるわけで)。


以下に、イギリスの主要メディアによる、この国民投票についての記事をリンクしておきます。
EU Referendum

http://www.bbc.com/news/politics/eu_referendum/results?SThisFB%2F%2F%2F%2F%2F%2F%2F%2F%2F%2F&post_id=927832203951028_1115361278531452#_=_

Brexit: What happens now?

http://www.bbc.com/news/uk-politics-eu-referendum-36420148

Britain backs Brexit: local and regional results in full

http://www.thetimes.co.uk/article/eu-referendum-follow-the-results-live-np32xpkh5?shareToken=e30af2e153b96ca70e4953d0ddd67059


EU referendum full results – find out how your area voted

http://www.theguardian.com/politics/ng-interactive/2016/jun/23/eu-referendum-live-results-and-analysis

What happens now the UK has voted Brexit - and what is Article 50?

http://www.telegraph.co.uk/news/2016/06/24/britain-votes-to-leave-the-eu-what-happens-now-that-brexit-is-a/


EU referendum results live

http://www.independent.co.uk/news/uk/politics/eu-referendum-live-latest-poll-news-brexit-results-leave-remain-when-date-vote-odds-uk-britain-a7094741.html


Brexit referendum live – UK votes out

http://blogs.ft.com/westminster/liveblogs/2016-06-22/



この投票結果を受けて、キャメロン首相は辞意を表明
Brexit: David Cameron to quit after UK votes to leave EU

http://www.bbc.com/news/uk-politics-36615028



市場の動き。ポンドは1985年来、最安値に
Shares and pound plunge on Leave vote

http://www.bbc.com/news/business-36611512



さて、これから
Brexit – what would happen if Britain left the EU?

http://www.theguardian.com/politics/2015/may/14/brexit-what-would-happen-if-britain-left-eu-european-union-referendum-uk?CMP=fb_gu


そもそもEUって?
What is the EU and how does it work?

http://www.bbc.co.uk/guides/zgjwtyc


EU Referendum

http://www.bbc.com/news/politics/eu_referendum/results?SThisFB%2F%2F%2F%2F%2F%2F%2F%2F%2F%2F&post_id=927832203951028_1115361278531452#_=_
では投票結果の様子をライブで報道していて、今日は逐一これを見ていました。
私があっ!と思ったのは、
スコットランド独立の動きが再燃するんじゃないか、ってこと。
やっぱり、イギリスって連合国なんだよね、スコットランドってその意識がイングランドとは全然違う。自分たちはイングランドとは一緒にしないでくれ、でもヨーロッパだよ、ってことの表れかもなぁ、とつくづく(まあ、それだけじゃないけど)。


今日という日は、のちのち振り返ったときに、歴史の大きな潮目になるかもしれません。
なので、普段はこういったことに介入しない態度をとっているのですが、記録として残しておこうと思いました。

 

 

EU 離脱! これがイギリス国民が出した答 : イギリスの食、イギリスの料理&菓子