書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

心おきなく休んでいいのに

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私はフリーランサーですから、たとえば出版社だったり制作会社だったり講座やイベントの主催の方とときどき打ち合わせなどで顔を合わせり、ときに嘱託といった形で一定期間出向いたりすることはありますが、普段は相手の見えないところでお互いに仕事をしています。

 

ということは、一緒に仕事をしている人のこの日は早退とか、この日は立ち寄りがあって午後から出社とか、この日から1週間のお休み、などというのは、言われて初めて知るわけです。

 

そんなとき、お休みとってすみません。個人電話やメールで連絡とれますから、などと言ってくださる方がいらっしゃいます。

お気持ちはうれしいですが、そこまで気を遣わなくっていいですよ〜。

よっぽどのことがない限り、休みまで追いかけることはしないし、する必然性が発生することって滅多にないし、まして休みをとるのにすまない、って思う必要もない。

 

こっちに仕事を任せておいて自分は休む、のに罪悪感があるのかもしれませんが、そもそも同じ立ち位置で仕事をしていないので、仕事に向かう日時が違うのは当然のこと。

 

 

似たような話で、「いついつまでにください」と言われ、ふとした拍子にその設定日の次の日に訊くと、「まだ内容を確認していない」ってこともあります

これに怒る人もいるけれど、「いついつまでにくれ」ってことはそのときまでに届けることがこっちの仕事で、届いたことを確認するのが相手の仕事、内容の確認はそれから次のステップです。

素材が来ないイライラや、連絡する手間を考えると、そういう風に日にちを設定するのは当然のこと。

こっちがやることは、“いついつまでに依頼された案件を届ける”ことで、それ以上でもそれ以下でもない。

 

 

自分の範疇をこえて人のことなのに、ぷんぷんする人がいるのかしら。

「こっちに仕事ふっておきながらとか休むのかよ〜」「忙しいときに休むなよ〜」みたいな態度を取る人がいるのかしら。

でも、いるからこそ、すみません、という態度になっちゃうんでしょうね。

 

 

人が休むとき、そのための本来その人がやることの皺寄せがこっちに来たら要相談だけど、そうでないんだったら、気持ちよく休みに送り出してあげればいいんじゃないの?

それって、自分にも返ってくることだしね。

 

休みをとるのに、すみません、って気持ちを抱かないような働き方のできる社会になればいいなぁ、って心底思います。