書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

ぐいぐいと引き込まれてしまった

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こういうのは、書き手と対象と、付け加えるなら読み手との巡り合わせがよかったのでしょう。

 

ぐいぐいと引き込まれる記事に出合ったよ。

gendai.ismedia.jp

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私はお笑いに詳しいわけではないし(というか、テレビをおいていないせいもあり、疎い)、

働き方でどうこう思い悩んでいるわけではない。

 

働き方は、フリーランスゆえ、四六時中つきまとうテーマで、

結局は、“自分の畑を耕す”ってことだと思っていて、

同じ作物を作り続けるか、品種改良するか、違う作物に転換するか、休耕するか、

を常に考えているわけだけど、

他者の話は結局、他者の話でしかないんですよね〜。

 

この三部作の記事がおもしろかったのは、

まずは筆致なんだと思う。

文章がうまい。技巧的ではなく、平たくわかりやすい言葉で綴る、

これってむずかしい、のよ。

 

そしてテーマの扱い方。

なんだろうな、もっと好奇心丸出し(果たして、可能なの、へぇ〜、みたいな高みの見物的な)

みたいな書き方が多いように思えるけど、

あくまでフラットに綴っていて、

おそらく書き手は対象と信頼関係もあり、それなりの知っている間柄なんだろうけど、ウェットな感じがなく、あくまで対象として突き放しているところがいい。

 

 

文章を書くのは、むずかしい。

やればやるほど、むずかしい。

 

ここ10年ほど、スランプというか、納得できるものが書けないなぁ、という状況で苦しかった。

仕事として書くので、果たして対価をもらえる文字原稿なのか、と問い続ける。

それ以前は、もっとスラスラ書いていたのに、書くのにすごく悩むようになったのは、

若い時は何も考えてなかったからかもしれないし、ようやく、書くということに対峙するようなったからかもしれない。

でもそれが足枷となって、考え込んで、ぎこちない文章だったのでは、と思う。

 

ようやく、少し肩の力が抜けて書けるようになったのは、ここ最近。

そのタイミングで、こういう記事が読んだので、自分の中にスーッと入ってきたのかもしれない。

 

 

それらを差し引いても、いい記事なんじゃないかな。

ネット記事は放っておくとどこに行ってしまい、自分の記憶からも薄れてしまうので、記録に留めておくためにも、ここに記しておこう。