書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けするメディアや仕事のあれこれ

ふとした瞬間にバックグラウンドがわかる

 

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テレビをおいてなくって、ときどき無音にすることはあっても、たいていラジオか音楽を流しています。

ラジオは日本語の放送のものだと、AMがほとんど。

聞くともなく聞くわけだけれど、プロの話し手さんは、言葉の選び方やだれない進行もそうだし、ゲストを招いての取材もそうだし、ほんと、うまいなぁ、と感心しています。

 

ある日、某番組に高橋源一郎が出演してました。

私は、今年2020年3月に終了した「すっぴん!」(NHKラジオ第1放送)が好きで、毎日登場するアンカーの藤井彩子アナウンサーの、強者揃いのパーソナリティーの手綱をしっかり握る、小気味よい話しっぷりがアッパレ!で、日替わりの各パーソナリティーもいい人選だなぁ、と思っていました。

 

この「すっぴん!」の金曜日のパーソナリティー高橋源一郎で、

別にメールやツイートをするわけではないけれど、ラジオを視聴していると親近感を覚えるもので、先日、出演なさっていたラジオ番組に遭遇し、「あらっ」と思い、そのまま聞くともなく流していました。

 

と、番組の会話の中で、

一昨日を“おとつい”を言ったんですよね、“おととい”ではなく。

というのも、私自身、意識していないと“おとつい”と言ってしまうから。

「おやっ?」と思って検索すると、「やっぱり、そうか〜!」だったのでした。

 

高橋源一郎は広島・尾道、関西、と子供時代の大半を西日本で過ごしたようで、納得!してしまったのです。

j-town.net

 

私も西日本出身者。

ただ、言葉はすぐに適応してしまう方なので、意識したわけではまったくなかったのに、18歳で東京に来たときも、すぐに慣れてしまった。

外国に行っても、意味はわからなくても、言葉の感じ、リズムとか音とかに、すぐになじんでしまう。

 

方言が恥ずかしい、とか、はないけれど、その方がスムーズだから、いつもは東京の言葉、なんだけれど、ふとした瞬間に、バックグラウンドが表れ、

それが一昨日を“おとつい”と言ったり、鼻濁音ができなかったり。

 

これらは意味は通じ、聞き返されることがない分、いつまでも自分の中に残っていて、

意識していれば一昨日を“おととい”と言えるし、鼻濁音もかろうじてできるけれど(もっとも今は使わない傾向になったけど)、無意識の瞬間に出ちゃうのよね。

 

いい/悪いじゃないよ。

培ったものって、ベースなんだなぁ、と感じ入ってしまうのです。

 

 

20歳ぐらいのときだったかな、上岡龍太郎に出会ったときのこと。

少し話をしたら、「君は西日本の出身だね」と言われました。

何の言葉を指してそう言われたのか、すっかり忘れてしまったのですが、

ごくごく些細な言葉で、そんなことで出身がわかるのか!と内心驚いたのです。

 

それから30年ほど経って、私もそんな気づきをするようになったんだなぁ。