書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

わざわざオンライン帰省”って言わなくても

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4月中旬に実家で法事がありました。

3月頭には、参加しない判断を下し、その際、近しい血縁者と話をしたときに、

「実家のパソコンか母のスマホに、テレビ電話になるようなSkypeとか入れておけばよかったかもね。あっ、LINEでもいいのか」と言ったら、

「う〜ん、入れたところで、使えない、使わないと思うよ」

 

確かに。

 

私の母は75歳で、戦後すぐの生まれってことが関係しているのか、

感覚として、比較的今どきかもしれないし、

電子レンジとかフードプロセッサーとか乾燥機とか、家電の新しいものは、こりゃ便利!と40年前にはすでにうちにあったのだけれど、

オンライン関係はからっきしダメ。

 

以前、同世代の知り合いは、ときどき実家に帰省し、その際に仕事をすることも少ないけれど、「家にネット環境がないから、不便」って漏らしていたし。

その人の親も同世代。

 

先日、ラジオをつけていたら、出演者もリモートで、ってことが増えていて、ある方(80歳過ぎ)が自宅から出演なさった際に、「うちにインターネットはないんだ。電話だよ〜」とおっしゃっていて、そりゃそうだ。

 

 

なので、“オンライン帰省”っていうのをきいて、

・帰省はやめましょう

・電話などで使いましょう

でいいんじゃないの、一体誰を対象にしているんだろう、って思ってしまいました。

オンライン飲み会も流行ってることだし、オンライン帰省がいいんじゃない!

世の中のこともちゃんと見てますよ〜、えっへん!な気になってるのかしらん。

(そもそもオンラインでの顔を見ながらの会話であって、帰省じゃないし)

 

私は今51歳で、

あんたの世代じゃないよ、あんたの子供世代に向けてのメッセージだよ!

って声もあるだろうけど、

私の世代は端境期というか、オンライン関係に抵抗感のある人、使っていない人、少なくないよ。

使っていても、ごく限られたものだけ、って人も少なくないよ。

 

 

いつも思うのだけれど、

ふわっと耳当たりはいいけれど、その実態がわからない言葉を使うの、

もうやめにしません?