書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

土地との相性ってなんだろう

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1990年代、私は20代を新玉川線(現・田園都市線)の世田谷で過ごしました。

最寄駅でいうと、駒沢大学に2年、桜新町に10年近く(人生でいちばん長く住んだ)暮らしました。

必ずしもいいことばかりではなかったのに、

でも土地との相性がよかったのか、しっくり肌になじんでいた、ってことを、

懐かしく思い出す、というのとは違って、今、感覚がふと蘇ることがあります。

 

先日、渋谷で仕事があり、その後、仕事でご一緒だった方と昼食をご一緒し、

全力でめいっぱい食べたので、こりゃ腹ごなしが必要、と三軒茶屋まで歩くことに。

国道246号を歩くわけで、よく知っている道。

 

普段は、電車で向かい池尻大橋駅なり三軒茶屋駅なりで降りるか、

目的地と出発地によってはバス移動。

 

2000〜2010年代の20年はすでにこの界隈の住民ではなかったのに、

2010年代後半はなぜか来る頻度が上がり、

そして、先日久しぶりにしっかり歩いたわけですが、

ああ、この感じ、街並みもだけれど、陽の光とか空気感とか、

よく知っている、すっかりなじんでしまった、あの感じ。

心がほどかれ、安心する。

 

でも、だからといって、その界隈にもう一度住んだとして、しっくりくるかどうかはわからない。

変わってない部分もあるけれど、私も町も変わったんだから。

 

 

町との相性ってなんだろう。

数値化はおろか言語化すらできないな〜、今の私は。

よく知っている空気に包まれながら、そんなことをぼんやり考えながら歩いてしまったよ。