書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けするメディアや仕事のあれこれ

すわっ、これ、私のことじゃん!

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ここ半年ぐらい、美醜に関するエントリーをけっこうしてるな〜。

関心が向いていることにほかならないのだけれど、

『ブスのマーケティング戦略』(↓)著者にして税理士の田村麻美さん曰く、

ricorice.hatenablog.com

 

2019年はブスバブルがあったようで、目が向きやすかった、ってのもあったのでしょう。

 

今なぜ、50歳になってなぜ容姿についてあれこれ考えをめぐらすようになったか、というと、

物心ついてからずっとブサイクにカテゴライズされてきて(しつこいようだけど、本人はファニーだと思っている)、もっというとそれも含めて低スペックの不良物件(第三者評価ね)にいるわけで、

その状況は今も基本的には変わっていないのだけれど、

なぜか急に、「かわいい!」と言われるようになったんですね。

(くれぐれも、頻度がそんなに高いわけじゃないですよ。

 周囲のほとんどの認識としては、ブサイク・カテゴリーには変わりはないと思います。

でも、「初めまして」の方などに、ちょこちょこ言われるようになって、「はて、これはどういうことなんだろう?」なのであります)

 

冷静に考えれば、50歳の初老のおばさん(私のことね)に向かって「かわいい!」というのも不思議な気がしすが、

ときどき言われるようになって、それは私が小さいから、その物理的なサイズ感でとりあえず、ではなく、容貌に対して、のようで(その違いは、リアルな受け手としてはよくわかる)、

私自身は何も変わっていないし、価値観の天変地異があったわけでもないし、

なぜじゃ〜!と不思議に感じていました。

 

 

そんな折、『ブス馬鹿貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』という、なかなか挑発的なタイトルの本を知りまして、

あれ、これ、私のことじゃん!と購入して、年末年始のお休みに読みましたとも!

 

そこに前述の“なぜな私は50歳になってから急にかわいいと言われるようになったか?”の答につながるヒントを見つけた気がしました。

 

“年齢を重ねるにつれて、ブスに見える度合いが低くなった。”

“中年期までは不細工さが目立ったのに、老いてからは品よく綺麗にさえ見えるようになった”

 

そういうことか!(後者はやや違うけれど)

指摘されているように、ブスと中以上の人とはそもそもの土壌が違うんですよね〜。

なので、女性誌が取り上げような「キレイになる、キレイにみせる」にまったく当てはまらないことは早くに自覚した私はエライ!

 

私は化粧が似合わない(顔立ちがはっきりしているので、少しでもきちんとメイクをすると、いきなり舞台女優のようになる)、自分はこういうのが好きで、こういうのが確かに似合う、と客観的に自分の見た目を判断し、我が道をきたのが、今頃になって「かわいい!」と第三者に言われるようになったのかもね〜。

 

 

さて、『ブス馬鹿貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』を読んだときの、いち編集者/ダイレクターとしての気づきを記しておきます。

(いち読者として感想などはここで割愛)

 

・あっ、これ、読書案内じゃん!

・長い、文章量が多い

・(あえて、でしょう)仕掛けが少ない

・性的なこと、身体的なことにも言及

 

・あっ、これ、読書案内じゃん!

編集者/ダイレクターのくせで、

カバー表紙 → 裏表紙、背表紙 → 袖(要は本をくるんでいるカバーを全部、ってことです) → もう一度、カバー表紙 → 本表紙、見返し(表紙と本文との間にある紙。ここにデザイナーや編集者のセンスがさりげなく発揮される) → 奥付け(本の最後のページで、クレジットなどが入る) → 巻末の参考文献など資料についてもページ → 目次

で、ここでそそられたら、本文に入ります。

 

実は本文を読まず、この状態で放置してしまう本、多数あり、私の場合。

編集者//ダイレクターは、本を読むのが好き、ではなく、本というパッケージが好き、という私のような人が多いんじゃないかな。

 

で、いつものようにこの流れで巻末ページを眺めていたら、参考文献が多いな〜、でしたが、本を読んだ流れでもう一度このページにたどり着いたら、参考文献じゃなく、紹介文献でした。

これ読もう!と付箋をつけながら読んでいた私にとってはありがたいページ。

 

これって、もしかして、低スペック女性に向けての自己啓発書の形を借りた読書案内では?

『ブスのマーケティング戦略』がブスに向けた自己啓発書の形を借りたマーケティングだったように、

そして「うんこドリル」シリーズのように

こういう、おっ!と立ち止まってしまう、これまでネガティブとして表舞台で取り上げにくかったものの形を借りて、キャラクターみたいなものというのか(視覚的にはキャラクター、文字ではネガティブな事柄が有効、な気がする)、敷居を低くし、裾野を広げる、というやり方は探っていきたい、と思ってしまった。

 

にしても、藤森かよこさん(『ブス馬鹿貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』の著者の方ね!)の書評連載、やりたいなぁ。

 

・長い、文章量が多い

今どきのカウントしていないのでわかりませんが、今どきのこの手の自己啓発書とかビジネス書(?)の類にしては文字量が多い。

まえがき自体も長い。

読後の感覚としては1.5倍ぐらい、かなぁ。

 

・(あえて、でしょう)仕掛けが少ない

昨今の書籍は、飽きさせない工夫をあらゆるところに入れている。

手持ちの自己啓発書やビジネス書の類を見て欲しい。

写真やイラスト、表、見出し、小見出し、そして、本文で重要と思われる箇所は太字にしたり色文字にしたりしているんですよね(この本文を太字にしたり色文字にしたりするやり方は、いち読者としては、嫌いだ。どこが重要か、は私が判断する、いちいち押しつけがしく言ってくれなくてもいい)。

書体や文字の大きさも変えたりしているものも少なくない。

 

妙に親切で、こうすれば読みやすいんじゃないか、ここまでていねいにやればより多くの読者を獲得できるのではないか、という編集サイドの心情はよ〜〜〜くわかる。

 

が、『ブス馬鹿貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』は実にすっきりしたシンプルな体裁になっていて、今の時代においては却って新鮮でした。

読者のレベルに期待してる表れ(だからこその、このタイトル。このタイトルで読者をふるいにかけているんだろーなー)、これでよし!という自信があるからこそなのかも。

 

・性的なこと、身体的なことなどに言及

特に性的なことは、なかなか公に言いにくいことではありますが、大事なことです。

それって、本能であり欲望だから。

(『ブスのマーケティング戦略』も性的なこともぶっちゃけて(という体裁で)言及していたのが非常によかった!と思う)

 

で、私がず〜〜〜っと不思議で、そして、かつてのようにある年齢になったら“とりあえず結婚”ということもぐっと減少した今、

“男性とつき合ったことがなく、性欲のある女性はどう処理しているんだろう(いや、別につき合ってなくても、ではありますが)”という私の疑問に似通ったことにも触れられています。

 

男性の場合は風俗という手段があるけれど、女性の場合はそういう場所は圧倒的に少ないだろうし、レディースコミックやハーレクインなどの妄想世界とリアルな性交渉とは違うよね〜。

 

大マジメに大事なことだと思うのですよ。大マジメに悩んでいる方も多いのでは、と思うのですよ。

藤森かよこさんも回答を出せていないようで、まだまだ未開拓の分野なんだろーなー。

企画を立てようかなぁ。