書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

一丸とされる気持ち悪さ! きわめつけはあのCM

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うちはテレビをおいていません。

テレビを観るのは、ホテルに泊まったり帰省したりしたとき。

 

テレビのある環境だったので、年末年始の1週間ほどテレビを観ていたら、ラグビーの日本代表が出ずっぱりでうんざりしてしまった!

気のきいたことをいうわけでもなし。

 

そもそもラグビーに全然興味がないんだよ!

だからワールドカップとか言われても一試合も観てない。

日本全体が感動!とか、ほんとやめて欲しい。

 

こういうときに、本来のラグビー、せいぜいスポーツならまだしも、関係のない普段の生活の話とか、ほんと、どうでもいい、と思うのだけれど、執拗なまでに出演させて消耗させるんだよなぁ。

日本だけがルーツじゃない人もいて、また都合のいいときだけ日本人扱いか〜、といううんざりした気持ちに。

 

 

そして、年が明けると、オリンピックイヤー、ってことのようで、楽しみですね〜、日本全体が期待!みたいなことを繰り返し言っていて、

私は当初からオリンピックの日本開催大反対なので、勘弁してくれ〜、その中に入れないでくれ〜、な気分に。

 

むしろ日常生活に支障が出るばかりだよ!

交通機関がまともに機能しないだろうから、移動が大変。

仕事、どうすればいいんだろう。

頭を抱えている人も少なくないと思うよ。

 

でもって、うわぁ、気持ち悪い!と心底ザワッとしたのが、大和ハウスのCM.

オリンピック待ち遠しいね、っていう前提がバツ

登場する外国人が西洋人、ってのもバツ

料理上手な妻が家庭のことちゃんとやってて、料理教室までしちゃってます、ってのもバツ

(いまだにこんな夫婦ロールが理想なのか、と思うと、もはや笑っちゃう)

そして終盤にヘミングウェイの『日はまた昇る(The Sun Also Rises)』ときた日には、気持ち悪さマックス!

 

ここで描かれている悪意のなさ、自国開催のオリンピック盛り上げましょう!にさしたる考えもなく、その雰囲気に便乗して、「私、いいことしてるでしょ」と言わんばかりに乗っかっている、しかもそこにはむしろ親切心さえあるところが(なんせ、自身の考えってものはないからね)、タチが悪いな〜、と思うのです。

日はまた昇る」は、日本よ再び、ってことなんですか、ね。ふう〜ん。

 

でも、もしかしたら、『日はまた昇る』がビル・エモットではなく、ヘミングウェイってのがミソで、そのタイトルの解釈が“なんだかんだあっても、それでも明日は来る”という虚無感というか無常観みたいなものを表したのであれば、それはそれでおもしろい、けど。