書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

損といえば損な役回りなんだよなぁ

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人を紹介してほしい、という依頼があり、

会ったことはなく、話をしたこともなかったけれど

(こういうこと、もはや珍しくない。

1〜2年に一度程度とはいえ、年々もつきあいのある出版社の方とは、会ったことも話したこともないもんなぁ)、

それまでのやりとりから、大丈夫!と思ってご紹介したところ、

なんだかおかしなことに。

ご紹介した方があれっ?と思ったようで確認の連絡をもらい、状況を聞き、失礼を詫び、依頼主に打ち返すことに。

 

依頼してきた方ご自身が人を探していたわけではなく、同じ部署の別の方が探していて、

担当の方がすっかりお膳立てが整ったと勘違いして、私が紹介した方に連絡をとったので、

おかしなことになっちゃった。

 

 

何クッションかにまたがるとありがちで、

よかれと思ってつないだけれど、紹介を依頼した方、紹介した方、双方へのクレームが私のところに来たことも幾度か(そして、それが原因ですっかり疎遠になった方も)。

 

その度に、関わらない態度、紹介しない方針でいくほうが精神的にはいいんだよね〜

(揉め事のほとんどは人間関係だから)、と思いつつ、

人がいない時の大変さは自分も経験があるから、何かできれば、って思っちゃうんだよね〜。

 

 

で、こういうときに、今回の私の例だと、紹介した方には平謝りして、依頼主に打ち返さないってやり方もある。

でもね、それができないのよ。

 

このまんま進むのは嫌だな、と思うし、何が原因か知って、単にコミュニケーション不足などであれば、それはそれとして引き続きになるし、そもそもの態度に???であれば縁を切るし(言ったところで通用しない)、

そもそも私自身がそういう目に遭ったのであれば、場合によっては黙って受け流してもいいのだけれど、えっ?な状況に陥っているのは私ではなく私の周囲の人の場合、彼らの代わりに正面きってものが言えるのは私なんだよね〜。

 

怒るってことはないのだけれど(プライヴェートの私を知っている人には意外かもしれませんが、仕事の場で怒ることってほとんどない。仕事でご一緒する人たちにも言われるから、本当にそうなんだと思います。逆に私が怒るのはよっぽどの時で、あまりにもわかっていない理不尽なクライアントには物申すけれど、スタッフに対してってことはない)、言うことは言うので、 “怒っている”と受け止める人もいる。

 

矢面に立つってのは、それが仕事とはいえ、損といえば損な役回りだよなぁ。

尻拭いをすることも多いし。

 

うまくいった時は表に近い、著者やカメラマンやデザイナーの力量と思われるし(実際にそうなんだけれど、彼らを統括する編集者にスポットが当たることは、ない)、そうでないときは編集が悪いになる(実際にそうなんだけどね)。

つくづく、編集者って大いなる裏方だよなぁ、と思うのはこんな時です。