自己プロデュースはできない
基本、裏方の仕事ですから、出版物のダイレクション、監督、編集とかって仕事は。
私が表に出るのは、イギリスの食のエキスパートとして、著者としての時。
あらかじめわかっているときは、よし!と心づもりをするものの、なんとも心もとなく、さじ加減に迷う。
自分はセルフプロデュースに向いていないんだなぁ、とつくづく思ったのが、
先日、たまたま入った書店で自著『増補改訂 イギリス菓子図鑑』がどんとディスプレイされていたとき。
自分が手がけた、他の人が著者の本の場合は、やったね!といううれしさが先立つのですが、
自分の著作の場合は、うれしさがありつつ、不意打ちを喰らわされたようで、どういう顔をしていいのかわからない。
こういうときに、その場に立ち合った瞬間でもあっても、気持ちを惑わされない、それでいて、こうしたらもっといいんじゃない、というクールな他者視点をも持てる人が自己プロデュースができるんだと思う。
予測しなかった事態にどういう態度に出るか、で、資質って表れるのかもね。
ただ、だからといって向いていないことをやろうとは私はさらさら思わず、自分に向いていないことは向いている人にやってもらう、という考え方なので、それを推し進めることになったら、誰かに頼む、ってことに力を注ぐ、になるんだろうなぁ。