書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

日常化しているカタカナを疑え

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訳がこなれていないなぁ、これだと意味を履き違えちゃうよ、ってことにときどき出くわし、

別に咎めているわけではなく、

ないに越したことはないけれど、そういうことはあるよなぁ、と思いながら眺めています。

 

もっと単純なところで、カタカナに引きずられたり、同じ英語でも国によって変わってくる言葉があり、それを知らないで訳したりしていることもあります。

 

イギリス人とやりとりをしていて、ふと思い出したのは、

映画『スイート・シックスティーン』(ケン・ローチ監督。映画はまったくもってスイートじゃない)。

映画館で観ていたので、もしかして記憶違いかもしれませんが、

ストーリー上差し支えないとはいえ、う〜む、と感じた記憶。

 

jumper → ジャンパー

trainers → トレイナー

と字幕がなっていたこと。

 

あれっ? 

確かに音をそのままカタカナにするとそうなんだけれど。。。

 

jumper → セーター

trainers → スニーカー

です。画面もそうだった、はず。。。

 

trainersは訳した方も、なんで複数? 重ね着?ぐらいに思ったのか。。。

(trainersはa pair of trainersのa pair ofが省略されていたのです)

 

 

よく知られている(かな?)ところで、

パンツ(下着ではない) → (a pair of) trousers

がありますが、ほかにも

 

マフラー → scarf

ニット帽 → beanie

トレイナー → sweatshirt(スウェットシャツ)

 

scarfはスカーフ。シルクやシフォンの軽いものだけでなく、“首に巻くもの”といったニュアンスかな。

日本語で言うマフラー、ウールやカシミアなどを素材とした厚めのものも“首に巻くもの”なのでスカーフ、といったところです。

 

おもしろいところで、

長靴 → wellies

※(a pair of) wellington bootsの略。ハンターみたいなので、夏の野外音楽フェスの必需品。由来もおもしろいです。

 

もうひとつフェスの必需品、anorakはウィンドブレイカーであるアノラックであると同時に、“オタク”って意味もあるんだよなぁ。

 

 

っと、書き始めたら、とめどなくなるので、っと。

アメリカ英語とは、そしてカタカナ英語とは違うのが多いのが、衣類の類です。

『スイート・シックスティーン』で私が感じたあれっ?はまさにそうかと

アメリカでもトレイナーはトレイナー って言わなかった、気がする。。。)。

 

こういうの、ちょっと注意深く眺めると、わんさと出てくる。

思い込みや常識はいったんかなぐり捨てて、まっさらにして頭を切り替える、ってことかな〜。