書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

樹木希林訃報に乗じる人たちの気持ち悪さ

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確かに存在感のある稀有な役者だったと思います。

 

でもね、何だろう。

あんなに素晴らしい俳優が、の一点張りの気持ち悪さ。

発言を名言として讃える気持ち悪さ。

 

晩年もその傾向があり、

腫れ物に触るように、とにかくほめる、絶賛する。

亡くなった後は、それがさらに助長された感じで、とにかく気持ち悪い。

聖人君子じゃあるまいし、そういう面ばかりじゃないよ、と言わせない空気感が気持ち悪い。

 

 

盲目的にほめたたえる、って危険じゃない?

確かにいい役者だったけれど、いい演技もあればそうでない時もあっただろうし、

そういうことを呑み込むというのは、真っ当な評価ができなくなる、ってことよね。

これはいいけど、これはさしてよくない、ってことあって当然だし。

 

人柄が、とかってのも、結局相性もあるだろうから、

万人が好きになるってことはないわけだし。

 

 

なんかね、こういう実力のある役者を評価する自分のセンス、すごいでしょ!

私、ちゃんと演技わかるのよ、私の審美眼すごいでしょ!

を暗に言われているみたいで、それが気持ち悪い。

単に世の中のそういう声に乗じているにも関わらず、

樹木希林に限らず、こういう人物やモノを借りた、

私ってみる目あるんだから!の垂れ流しに思えるんだよねぇ、ほとんどの場合。