書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

結局最初に戻ることって多いなぁ

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9月発売の食書籍の制作がいよいよ大詰め。連日大わらわな日々を過ごしています。

 

もろもろのタイミングで、予定より遅れて、ようやく表紙が決定。

デザイナーさんが5案も作ってくださり、どれも甲乙つけがたかったけれど、

ついに決まって、ほっ。

(この表紙の決定権は私にはなく、出版社内の各部署の方々が揃っての会議で決まります)

 

 

選ばれたのは、実は、私がいちばんいい!と思った案ではありませんでした。

珍しいことではなく、たいていの場合、私がいい!と思う案は選ばれない。

 

これ、ある意味当然のことで、その本に、内容に、すでに深く関わっているので、

どうしてもバイアスがかかり、

ぱっと見で、という判断ができにくくなっているんですよね。

デザインとしていい、とか、そういうことに目が向く。

おっと気になるかどうかよりもね。

 

 

ただ、今回選ばれた表紙写真は、撮影時にいちばん盛り上がり、

表紙はもうこれで決まりでしょう! ほかは撮らなくて、決め打ちでいいんじゃないの!

って言っていた写真。

デザインとして上がったときには、すでにその本の内容について知識を積んでいるってのもあり、深く関わっているってのもあり、

こっちかな〜、なんて思ったけれど、

結局、第一印象で、ぐっときたものがよかった、ってことかな。

 

 

制作の現場にいると、あれやこれや迷ってドつぼにはまることがあり、

案はあれこれ作るけれど、どれにしていいか分からない!なループに陥ることも。

そんなときって、時間をおいて冷静になって見直したり、第三者の意見を求めたりするのですが、

結局最初に作ったものがいい、になるんですよね。

 

最初に作る、っていってもやみくもに、ってことでなく、

コンセプトをふまえた上で、よし、こうしよう!で作っているので、

そういうひらめき(これは経験の上に成立しているわけだけど)がいちばん素直に反映されているから、ってことかな。