書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

20世紀は遠くになりにけり

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どんなに少なく見積もっても、20年は購入していないと思う。

 

TV Bros.

 

この2018年4月から隔週から月間になったんですね。

月間になったことよりも、まだ続いていることの方が驚き!かも。

個人的には、この手の情報誌&タウンガイドはもう紙パッケージは不要だと思っているから(特別企画で何かやるなら別だけど)。

 

 

かつて私がお世話になったのは、「TV Bros.」と「シティロード」。

片やテレビ情報誌、片や首都圏のエリアガイド、

競合の中ではどちらもいちばん安かったので、最初手に取った、んだと思う

(ネットが浸透する1990年代後半までは、新聞をとるか、こういう情報誌を買うか、って時代だったのです)。

 

だんだん、というか購入し始めてほどなく、肝心の情報はどーでもよくなって(笑)、

とにかくコラムが充実していて、これを読むのが楽しみだった。

 

出版の仕事をするようになり、「メインではなコラムとか囲みとか、ちょっとした添え物に力を注ぐことが、個性やおもしろさにつながる」と言われ、妙に腑に落ちたのでした。

 

 

もはや情報はデジタルで充分、な私ですが、

コラムとか、切れ味鋭いつっこみとか、斬新な視点とかってのも、

もはや紙媒体として流通される前に、瞬時にツイッターなどで誰もが発信して、紙媒体として手に届く頃には賞味期限になっている、ってことなんだろうなぁ。

 

なんだか往生際が悪いなぁ。

もう紙はやめちゃえばいいのに。

看板として残したいならネットだけでいいのに。

ricorice.hatenablog.com

 

ネットのいいところは欲しい情報にピンポイントで行き当たることができること。

でも、欲しい情報まっただ中の周辺にある、もしかしたら好きかも、こんな考え方もあるのか、のきっかけになる潜在的な情報にふれる比率が落ちる気がします。

 

この潜在的な情報にふれるのは、現時点ではアナログの方が強くって、

アナログを生き残るにはデジタルの発想ももはや不可欠だけれど、

ネットを生き残るためにも、この視点を備えてないと、むずかしいんじゃないか、って気もするのです。