船頭はひとりでいい。何人も要らない
いろんな立ち位置で仕事をしていまして。
映画監督よろしく、裁量を任されて書籍のディレクションをすることもあれば(ボリュームが多いので、比重としては大きくなります)、
雑誌のいち企画を担当したり(編集、執筆含む)、いち執筆陣として寄稿することもあります。
前者と後者の大きな違い。
それは、
前者の場合は、私が船頭であること
後者の場合は、たとえば編集長だったり、担当者だったり、ほかに船頭がいること
先日、執筆陣として仕事を頼みたいけど、原稿の手直しを渋りますか、
といった質問を受けました(間接的にだけれど)。
これ、私、全然、平気なんです。
なんでか、っていうと、私は船頭じゃないから。
いい悪いじゃなくって、全体のバランスをとったり、企画を引導するのは、船頭の仕事で、こちらがするのはそれに沿って仕事をすること。
なので、仕事を受ける時に、企画意図をできる限り汲むようにしています
(ただねぇ、ときどき、企画意図がなく、お題だけ言ってきて、こちらが渡したものに対してあーじゃない、こーじゃない、って言う人がいるんだよねぇ。。。その分ギャランティーに入っていれば話は別ですが)
逆にこちらが船頭のときは、こちらの意図を伝え、違うな、と思ったら修正をお願いします。
あるとき。
「ここ直していいですか」「ここはこうしたいんですけど」(事実関係、というよりも、文体だったり)、
いちいちフィードバックする担当編集の方がいて、
「全体のバランスもあるでしょうから、好きに直してもらっていいですよ」と言うと、
「なんで勝手に直したんだ!ってお叱りを受けることがあるんです」とのこと。
びっくり!
名が知れている、その人が書くことが大きな看板になる場合は別だけど、
いち執筆者の場合は、企画に沿った記事を書くのが仕事なわけで、作家先生とはわけが違う。
自分の立場、分かってるのかな。
誰がイニシアティブをとっているのか。
それによって、どういう振る舞いをするか、っていう単純なことなんだけど、ね。