書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

船頭はひとりでいい。何人も要らない

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いろんな立ち位置で仕事をしていまして。

映画監督よろしく、裁量を任されて書籍のディレクションをすることもあれば(ボリュームが多いので、比重としては大きくなります)、

雑誌のいち企画を担当したり(編集、執筆含む)、いち執筆陣として寄稿することもあります。

 

前者と後者の大きな違い。

それは、

前者の場合は、私が船頭であること

後者の場合は、たとえば編集長だったり、担当者だったり、ほかに船頭がいること

 

 

先日、執筆陣として仕事を頼みたいけど、原稿の手直しを渋りますか、

といった質問を受けました(間接的にだけれど)。

 

これ、私、全然、平気なんです。

なんでか、っていうと、私は船頭じゃないから。

 

いい悪いじゃなくって、全体のバランスをとったり、企画を引導するのは、船頭の仕事で、こちらがするのはそれに沿って仕事をすること。

なので、仕事を受ける時に、企画意図をできる限り汲むようにしています

(ただねぇ、ときどき、企画意図がなく、お題だけ言ってきて、こちらが渡したものに対してあーじゃない、こーじゃない、って言う人がいるんだよねぇ。。。その分ギャランティーに入っていれば話は別ですが)

 

逆にこちらが船頭のときは、こちらの意図を伝え、違うな、と思ったら修正をお願いします。

 

 

あるとき。

「ここ直していいですか」「ここはこうしたいんですけど」(事実関係、というよりも、文体だったり)、

いちいちフィードバックする担当編集の方がいて、

「全体のバランスもあるでしょうから、好きに直してもらっていいですよ」と言うと、

「なんで勝手に直したんだ!ってお叱りを受けることがあるんです」とのこと。

 

びっくり!

 

名が知れている、その人が書くことが大きな看板になる場合は別だけど、

いち執筆者の場合は、企画に沿った記事を書くのが仕事なわけで、作家先生とはわけが違う。

自分の立場、分かってるのかな。

 

 

誰がイニシアティブをとっているのか。

それによって、どういう振る舞いをするか、っていう単純なことなんだけど、ね。