書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

確かな記憶の10年前との比較

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自分も変わるし相手も変わるから、つき合う人が変わるのは自然なこと、だと思っています。

それを無理して一緒の時間を作っても互いに疲れるだけ。

そして、つきあいが続いていても、その濃度は変わってきます。

 

そんな風に人との関わりを捉えている私にしては珍しく、

15年ぐらいかなぁ、だいたい年に一度の割合で定期的に会っている人がいます。

もとは知人の友人という恰好で知り合い、仲介してくれた知人とは疎遠になっちゃったけど、この方とはつかず離れずで、関係が続いている、という、ね。

 

で、先日会ったとき。

「去年もイギリスに行ったの?」

「行きましたよ〜」

「どうだった?」

「う〜んとね、10年前の自分の発言がより可視化&明確化された、って感じ」

「はっ?」

 

 

去年の秋の渡英は、10年前にイギリスのクッカリースクールに行って10年経ったんだ〜、で当時を比較する作業を自分の中ですることが多かったんですよね〜。

しかも、そのクッカリースクールにはMP(国会議員)もいて、ロンドンから車で1〜2時間の学校へ行くのに便乗させてもらったりしたんですよね〜。

なんで車の中で、社会情勢について話すことが多かったですよね〜。

 

で、質問を受けて(何を質問されたかは忘れたけど)私がどう答えたか、っていうと

・日本の技術は、企業が売るためのものであって日常生活用じゃない
少子化が顕在化している

 

・日本の技術は、企業が売るためのものであって日常生活用じゃない
は、当時はまだ家電とか車とか、日本製を見たし(今はほんと見なくなった)、今の40代以上であれば、1970〜80年代の日本のいけいけどんどん(一方、当時のイギリスは英国病ともいえる不況にあえいでいた)を見て、実際にサッチャー政権以降、日本企業もがんがん乗り込んで、を体験しているので(実際以上に神格化しているきらいもある)、10年前はまだ日本の技術はすごい、って空気があって(今は違うよ)、彼らにしてみればさぞや最先端の技術に囲まれた生活をしている、と思っていたみたい。

でも、セルフレジやオンラインショッピングはもとより、クレジットカード払いでさえおいおい、ってな状況で、
だから、こんな発言をしたんだけどね。
んでもって、今もそのときと日本ってあんまし変わってない気がする(イギリスは行くたびに日常生活におけるデジタル化&無人化進んでいる)。
いまだもって、現金主義、ペーパー主義、ハンコ主義、でとにかくアナログ感がすごすぎる! 余計な人やコトも多いし。

 

少子化が顕在化している

日本で声高に言われ始めたのがこの頃。
すでに先進国は大なり小なり少子化で、それは免れなくって、その当時、私は、少子化がイギリスで大きな問題となっていないのはなぜだろう?と思っていたら、

「ははは、そんなの簡単。子どもはいなくても労働者はいるから、政府はさして問題にしないんだよ〜」とそのMPさん。
「要はね、政府は納税者が欲しいわけ。そして納税者は多ければ多いほどいいから。イギリスの場合は、EU加盟に伴う東欧からの人々や移民が、ほっといても労働者が来るから。加えてなんやかんやで世界の金持ちも来るしね〜。だから出生率が低かろうが高かろうが、税収にはほとんど関係ないんだよ〜」。

(当時は、移民問題がここまでに大きくなり、ひいてはBrexitを引き起こすまでになるとは思っていなかったので、こんなのんきな発言だったのですが。まあ、あの国はBrexitしようがしまいが、なんだかんだで生き残っていくのでしょうが)

 

 

10年前の自分の発言を振り返ると、ますますその通りだよなぁ、な状況になっていて、びっくり!だわ。