思いがけない形で、ときどき読者の方に出会う
書籍の仕事の場合、私は制作指揮(映画で言うと監督)の立場であることが多く、
企画立案、構成などから関わり、執筆はすることもあったりしないこともあったり(そのときの状況で。監修兼著者がいたり、この人に執筆してもらおう、という場合は書いてもらいます)。
映画で言うと監督なので、表に出ることはないし(クレジットは入るけれど、著者ではないから、同業者じゃないとそこまで見ないでしょ)、
こっちから言う必要もないんだけど、
話をしていて、脇道にそれたときなんかに、あ〜!ってことがあります。
「○○ってお店でずっと仕事していたんですよ〜」
「そうですか! ○○シェフに、以前、本の仕事でとってもお世話になって」
「○○シェフ、本の仕事もしてますもんね。『△△△』は、私たちスタッフもいろいろ関わったんです」
「あ〜、あれはいい本ですよね。制作側から見ると、作るのはさぞ大変だろうなぁ、と(笑)」
「『◇◇◇』って本があって、それは私がそのお店にいなくなってからのですが、私自身はこの本がすごく好きで」
「あっ、それ、私が企画出して実現化した本です」
「えええええ〜っ! そうなんですかっ? あの本、本当に役に立ちます! 必携ですよ!」
たまにこういうことあり、そう、本って、著者でもそうですが、制作側となると、いくら総指揮とはいえ、読者の方にお目にかかる機会って、本当に少ない。
「こういう人たちに役立つ、こういう本を作りたいなぁ」という企画の発端が、
こうやってちゃんと届けられているのは、本当にうれしいものです。
しかも、プロの方にこう言ってもらえるのは。
読んでもらってうれしい、のもあるけれど、(意図したように)役に立っている、ってのが、ね。