書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

思いがけない形で、ときどき読者の方に出会う

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書籍の仕事の場合、私は制作指揮(映画で言うと監督)の立場であることが多く、

企画立案、構成などから関わり、執筆はすることもあったりしないこともあったり(そのときの状況で。監修兼著者がいたり、この人に執筆してもらおう、という場合は書いてもらいます)。

 

映画で言うと監督なので、表に出ることはないし(クレジットは入るけれど、著者ではないから、同業者じゃないとそこまで見ないでしょ)、

こっちから言う必要もないんだけど、

話をしていて、脇道にそれたときなんかに、あ〜!ってことがあります。

 

 

「○○ってお店でずっと仕事していたんですよ〜」

「そうですか! ○○シェフに、以前、本の仕事でとってもお世話になって」

「○○シェフ、本の仕事もしてますもんね。『△△△』は、私たちスタッフもいろいろ関わったんです」

「あ〜、あれはいい本ですよね。制作側から見ると、作るのはさぞ大変だろうなぁ、と(笑)」

「『◇◇◇』って本があって、それは私がそのお店にいなくなってからのですが、私自身はこの本がすごく好きで」

「あっ、それ、私が企画出して実現化した本です」

「えええええ〜っ! そうなんですかっ? あの本、本当に役に立ちます! 必携ですよ!」

 

 

たまにこういうことあり、そう、本って、著者でもそうですが、制作側となると、いくら総指揮とはいえ、読者の方にお目にかかる機会って、本当に少ない。

「こういう人たちに役立つ、こういう本を作りたいなぁ」という企画の発端が、

こうやってちゃんと届けられているのは、本当にうれしいものです。

しかも、プロの方にこう言ってもらえるのは。

読んでもらってうれしい、のもあるけれど、(意図したように)役に立っている、ってのが、ね。