書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

自分にとって最適な判断をするのは自分よりほかない

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先日、ロンドンに滞在していたとき。

夢中になって本を読んでいて、慌てて電車をおりたら、オイスターカードがない!

オイスターカードとは、日本のスイカのような、公共交通機関で使えるICカードのこと。現金で切符を買うより割引になえります)

その日から開始の7日間のパスと予備の£10を前日トップアップ(チャージ)したばかり。

あ〜〜〜〜〜っ!!!

 

改札もなく(厳密にはあるんだけど抜けられる)、駅員もおらず、

約束があったのでとりあえず目的地に向かうことに。

 

夕方、予定が終了するやいなや駅に向かい、券売機をあれやこれや試すけれど、オイスターカードが買えない!

いや、買えるんだけど、住民用でビジター用じゃない(住民用は定期券を兼ねるので、名前や住所などを登録する必要がある。これは紛失や盗難にあったときのため)

そうだよね、だってここは観光客がそうそう来るエリアじゃないもんなぁ。

チャージしたばっかり、よりも、オイスターカードがないことが痛い、これがロンドンを回る足だもん!

 

壁を眺めるとオイスターカードが買える地図が貼り出してある。

どこで買えるんだろう、と眺めていると、スタッフの姿が。

 

かくかくしかじか、事情を説明すると、

「今日はもう帰るだけなら、目的地までの切符を買ってお戻りなさい。

この地図のスポットでオイスターカードは買えるけど、基本、住民用でビジター用は扱っているかどうかわからない。

明日、ターミナル駅に出向いてビジター用オイスターカードから買うのが確実ですよ」

と言われ、確かにそうだな、と。

 

で、乗り込んだ駅は、オーヴァーグラウンド(鉄道、地下鉄ではなく)で、

数駅行くと地下鉄に乗り換えるためのターミナル駅。

電車のなかで、はっと、これから通過するターミナル駅でオイスターカード買えるんじゃない、明日じゃなくても、と思いいたるわけです。

 

ロンドンは地下鉄にしろオーヴァーグラウンドにしろ、スタッフがいない。

中心部にはいるにはいるけれど、隙をみてつかまえないと、な状況。

でも、主要ターミナル駅はインフォメーションもあるし、人員を配置した窓口もある。

 

果たして、なんてことなく、オーヴァーグラウンドから地下鉄に向かう途中にインフォメーションがあり、

オイスターカードを買いたいというと(こういう主要駅でこういうことを言うのはビジター/観光客)、窓口を案内してくれ、いとも簡単にオイスターカードを購入+トップアップ(チャージ)もしましたとさ。

 

 

以前、フランスの田舎で行きたいところがあり、前日ツーリストインフォメーションで列車の時間を教えてもらい、タイムテーブルももらい(ものすごおおおおく親切だった)、だったのが、当日、列車が来ない!

事故でもストライキでもなく、おかしいなぁ、と思ったら、数日前にタイムテーブルが変わったとのこと。

1日3〜4便しかないので、すぐにタクシーを捕まえ、

当時はフランス語がまったくできなかったので、筆談で場所を伝え、値段を確認し、目的地へ。

 

 

この手のこと、よくあります、海外で。

外国がダメだなぁ、ってことじゃなくって、結局、自分にとってどうすればいいかを判断するのは、他でもない自分だってこと。

というのも彼らは彼らでベストな情報を与えてくれてはいるんですよね、本当に親切に。

でもそれは一般論かもしれないし、古いものかもしれない。

 

こういう経験を重ねると、

信用していないわけではないけれど、ハナから与えられる情報を鵜呑みにするのは、危険だなぁ。危険というよりも、自分に合っていないことって多いんだよなぁ、と思うわけです。

与えられる情報はヒントであって、絶対じゃない(もちろん、最適な場合もありますが)。

そこを手がかりに判断をくだすのは、ほかでもない自分じゃないか、って思うんです。

 

何かあるとすぐに、(向こうが)教えてくれない、やってくれない、と騒ぐのはまったく違うんじゃないか、と。

不誠実な場合は、確かに問題ありだけど、最初からひとりひとりの状況に合わせて、なんて土台無理だし、求める方がどうかしている。

訊いたの? 回答を咀嚼したの? 自分にとって何が最適かは自分で判断して回答を得るしかないのです。