書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

お帰り、MERY!

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昨年2016年終盤、DeNAが運営するまとめサイトが正確性を欠いていたり、著作権無視だったりの記事を掲載していたことが発覚、休止となり、それはその代表だったWELQだけでなく、女の子向けサイトMERYも同様。12月7日から非公開とされました。

 

やむなし、確かにやむなし。

例えばダイエット情報など健康に関するものもあったわけで。

 

 

でもね、このMERY、ほんと、かわいくってね。

普段、ふんわりピンク色のガーリーなものって好みじゃないんだけれど(むしろ、原色をヴィヴィッドに使うキッチュなものが断然好きだから)、女の子だから男の子だからって区別も要らない、と思っているんだけれど、

MERYはよかった!

 

というのもね、世界観が統一されていて、観ているだけで夢の世界。

でもって、内容は、近所の女子大生が今ってこうなんだ〜、って教えてくれてる感じ。

ドリーミーな見かけとは裏腹にリアルな声ってのも、いいな〜、って思った。

とにかく、素直にかわいい、素直に楽しい、が満載だったわけです。

何かを探して真剣に読む、というより、ちょっとした空き時間に眺めていて、やさしい気持ちになる、って感じかな。

このあたり、こちらを参考に(↓)。

www.buzzfeed.com

 

そのMERYが復活! パチパチパチ!

で、なぜMERYがすごかったのか。

一般ユーザーとしては上記のとおりなんだけど、メディアに関わっている者として脅威に映ったのも事実で、

大筋は私と同意見なこちらを(↓)。

www.huffingtonpost.jp(両者とも言っていることの本質は一緒で、一般ユーザー、メディアの視点で言葉を選んでいる、という違いといえばそれまでだけど)

 

メディアの方の意見を眺めていて、私と違うな、と思うのは、ちょっと既存メディアに肩入れし過ぎかな、ってとこ。

どんなに上質で正確なものをつくっても読者/ユーザーに響かないと意味はないし、

そしてそれを選ぶのは読者/ユーザーなので、

いくらこっちがプロとしていいもの作ってます!って叫んだところで、

選ばれないと意味はない。

 

そのためには読者を選ぶってことも大事なわけで、

だとしたら同じファッションを扱うにしても、

MERYの読者は来なくていいよ、ぐらいのものをつくればいい。

 

また、いくら昔は雑誌で知を学んだといっても

読者がいる、売れる、もしくは売れなくてもそこにちゃんと価値を見出してくれるスポンサーがいないと商業出版である以上成立しないわけで、

そういう努力をしなかったから休刊という名の廃刊になったんじゃないの?

 

そもそもいまだに紙 対 ネット ってのもアホらしい話で、

敵対関係ではなく、それぞれに適したユーザーを獲得して共存していけばいい。

 

それにしても紙の人って、(ネットよりも)紙こそエライっていまだに信じていて、その視点をベースとしていて、

そしてそれが自らを滅ぼしているのに気づかないんだろーか?

 

確かに世に出す前に、記事に正確性を期すため、徹底的に調査、取材、校正、校閲をするのは事実で、

でもそれは読者/ユーザーにとっては関係ない、せいぜい二次情報でしかないことで、

ネットだって同じことをやっているところはあるし(誰でも参加できる世界ゆえ、その率は低いけれど)、紙だからってすべてのところできっちりやっているわけではない。

それを声高々に言う必要はまったくない。

ちゃんとやっていることをちゃんと汲み取ってもらえる、信頼してもらえるメディアをつくり、結果、読者/ユーザーを獲得する形で示せばいいだけで。

 

 

プロが入ればよかった、と発言されているけれど、プロがいなかったからあそこまでできたんでしょ。

プロが入ると得てしてみんなにいい顔をすべく、途端に小さくそつなくまとまっちゃうから。

新生MERY小学館と組むようですが、変に締め付けたりせず、のびのびとやって欲しいな。