書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

食べきれなかった料理を持ち帰る

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日本だとね〜、断られること少なくないんですよね〜。

飲食店で食べ残した料理の持ち帰り。

 

特に生もの、刺身とかを扱っているところであれば気持ちはわかる

(でも、持ち帰るのは焼いたり揚げたり、火を通したものだけどね)。

クレイマーも少なからず存在するだろうし、

でも持ち帰ったあとはその本人の責任、にもかかわらず、

「あなたの責任でしょ」といえないつらさ(言っていいと思うけど)。

であれば、最初から持ち帰らせない方が得策、ってわけ、か?

 

 

先日ロンドンでスマートカジュアルな店にランチ入店したとき、

朝食(しかもたっぷり!)と間隔がそんなにあいていなくって、思ったより食べられず、

最初3コース(前菜、メイン、デザート)でオーダーしたのを

2コース(前菜、メイン)に変更してもらい、

メインの野菜の重ね焼きは半分持ち帰りにしました。

 

さすがにファインダイニングでは食事を摂ると同時に一種アートを楽しむようなところもあり、

そういうところでは作品に手を加えない方がいいかな、と思い遠慮するのですが

(そもそも完食することが多いので残すことって滅多にないのだけれど)、

スマートカジュアル以下では、そのときの状況と料理によっては持ち帰りをお願いします。

 

 

ちなみに、英語圏で持ち帰りのこと、日本で言われているようにドギーバッグって表現するのかなあ?

私は聞いたことない。

シンプルに、「食べきれないので、持ち帰りたいのですが」と切り出すし、周りの人もそうしているような気がします。

容器があればそれに入れてくれるし、

なければ「容器(container)がなくって、(アルミ)フォイルに包む形でもいいですか?」みたいにきいてくれるし。

 

こんなときはチップを多めに、サーヴィス料があらかじめ入っているときは、チップを残して店を出ます。

 

 

そんなわけで、ロンドンで持ち帰りをお願いしながら、

もったいない、もったいない、

食品ロスをなくそう、と言う割に、

食べ残しを持ち帰る行動を日本でほとんどみないってどういうことなんだろう、とふと思ってしまいました。

 

 

精神性の問題?

随分前に南野陽子さん(なんで私は彼女の発言をこんな覚えてるんだろう?(笑))が、

飲食店で食べ切れなかった料理の持ち帰りをお願いしたら、
同席していた、当時おつきあいをしていた方に

「みみっちい」だったか「貧乏臭い」だったか、そんなことを言われたらしく、

芸能人でしかもトップアイドルにまでのぼりつめた人なのに、

生活感覚がしっかりしてるな、と私が感心したのとまったく違う見方をするんだなぁ、と思ったのですが、

もしかして、この意見が多数派なのかなぁ。

だから、食べ残しを持ち帰る行動を日本でほとんどみないのかなぁ。

ricorice.hatenablog.com

 

だとしたら、いくら口先できれいごとを言っていても、

フードバンクも定着しないよね、なんてことも感じてしまったのです。